2004年7月27日水曜日 プロ野球パシフィック野球連盟選手権試合
西武Lions−福岡ダイエーHawks18回戦
西武ドーム 18:00〜 観衆;32,000人 観戦場所;レフト側外野自由席
ホークス |
3 |
0 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
4 |
|
一 |
二 |
三 |
四 |
五 |
六 |
七 |
八 |
九 |
計 |
ライオンズ |
0 |
0 |
0 |
2 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
2 |
勝利投手
|
新垣渚 9勝4敗 |
敗戦投手
|
張誌家 7勝6敗 |
審判員・記録員 |
本塁打 |
球審
|
柳田昌夫
|
荒金久雄2号打点1・投手:張=初回 |
一塁
|
秋村謙宏
|
ペドロ・バルデス15号打点2・投手:張=初回 |
二塁
|
津川力
|
赤田将吾7号打点2・投手:新垣=四回 |
三塁
|
山本隆造主任
|
|
公式記録員
|
山川誠二
|
|
投手が良いと試合が早い!
新垣渚、無四球完投!荒金久雄、先頭打者アーチ!
ホークスは一回、荒金久雄のソロ本塁打とペドロ・バルデスの2ランで3点を先制。三回にも相手暴投で1点を追加。先発新垣渚は2失点ながらも無四球で4試合連続完投勝ちし、チームトップの9勝目。
西武は得点が赤田の2ランだけと、打線が振るわなかった。 |
約1年ぶりの西武ドーム。今回は試合時間が長くなっても良いように現場までバイクで向かうことにした。国道16号を爆走。距離にして約50キロ程度を2時間で走りきる。途中、神奈川県警による取締りを数箇所で見かけるも、あらかじめ取締りをやっている旨の看板を見つけるたびに走行速度を40キロ以下に落として徐行したお陰で無事にやり過ごす。16時半ころ、ローソン西武ドーム前店で買い物をするつもりでやってきたものの、いつのまにやらその店はつぶれていて店先にはセンチュリー21のテナント募集告知が張られていた。仕方なく少し戻ってファミリーマートで買い物をする。
西武ドーム前のチケット売り場には列が出来ている。良く見ると有名なオレ○ジお○さんも大きな看板を携えてチケット購入の列に並んでいる。さすが大好きな新垣渚の先発が予告されているだけのことはある。チケットを購入し、ゲートに向かう途中に大きな大弾幕が。「’04 挑戦、はじまる」と大きく書かれているが、始まってかれこれ4ヶ月も経過している今シーズン(笑)。 |
|
|
真夏・7月の西武ドームということもあり、暑さには相当の覚悟をしてやってきたが、それほど暑く感じない。7月初頭に札幌や長野で身体に涼を叩き込み、さらに家にいるときにはガンガンエアコンをつけて身体を冷やしているお陰で私の体内温度計が麻痺しているようで、今年は外で行動してもそれほど熱いと感じなくなってしまったようだ。よって今日も身体から汗は吹き出ても暑いと感じない。
座席について福岡からの仲間から9月のバーゲンフェア航空券について尋ねられる。言われてみれば彼の航空券は私が予約したまま放置していた(笑)。で、慌ててi-modeで確認してみると、なんと購入期限が今日までとなっていた。慌ててとりあえず私のクレジットカードで決済を行っておく。
場内は人気のホークス戦だけあって外野席を中心に結構お客さんの数は多い。
実は日程的な絡みで私がアテネオリンピック前に観戦できるホークスの試合はこれが最後ということで、そういう意味で城島健司が出場している試合はしばらく見納めということになる。それを踏まえて先発オーダーが発表される。 |
Fukuoka Daiei
Hawks
H
|
荒金
|
川崎
|
バルデス
|
松中
|
城島
|
柴原
|
ズレ|タ
|
本間
|
鳥越
|
新垣
|
守備
|
9
|
6
|
7
|
3
|
2
|
8
|
DH
|
4
|
5
|
P
|
9
|
8
|
5
|
3
|
7
|
DH
|
6
|
2
|
4
|
L
|
佐藤
|
赤田
|
フェルナンデス
|
カブレラ
|
和田
|
貝塚
|
中島
|
細川
|
高木浩
|
張誌家
|
Seibu Lions
|
先行のホークスは昨日1番の井口をベンチへ下げてセカンドに本間満を入れ、ズレータの打順も下げ、昨日9番の荒金久雄を1番に昇格させて必勝を期す。先発投手はここまで3試合連続完投勝利中の新垣渚。対するライオンズは指名打者を中村から貝塚へ改めている程度でほとんど昨日のオーダーと変わりない。先発投手は五輪台湾代表の張誌家。
試合前の始球式は西武ドームでライオンズ選手に商品提供を行っているダイドードリンコ営業開発部長の日比野千秋さん。営業開発部長というポストで始球式を依頼されるということは、かなりライオンズに対して貢献をしている企業なのでしょう。通常、この手の始球式って社長や支社長レベルの人が出てくることが多いのだが…型通り荒金が空振りして始球式が終了。時計の針は18時をさしていた。
初回表のホークスは1番、実は新人王獲得有資格選手である荒金久雄が入る。張誌家の立ち上がりに注目が集まるが、初球・2球目と高めに浮き気味で2球ともボールになる。3球目はネット裏へファールとなり4球目。これも高めに浮いてきた。甘く入ってきた変化球を強く叩くと打球はレフトスタンドへ一直線。見事な先頭打者ホームランに!正直言ってここまでの結果を期待して見ていた訳ではないので驚いた。足早にベースを一周しホームイン。荒金の2号ホームランで1点を先制したホークスは勢いに乗って2番の関東ではCM出演が見られなくなった川崎宗則がカウント1−3からの5球目を選んで四球で出塁。さらに追加点を狙いたいところ。
で、続いて打席に入るペドロ・バルデスへ投じる張誌家。初球からボール、ストライク、ファール、ボール、ファールでカウントが2−2の平行になる。初回から2−3にしたくない張誌家はストライクを投げてくる。バルデスの打った打球はぐんぐんポール際に向けて伸びていく。そしてポールに直撃してサード塁審の山本が腕をグルグルと回した。川崎、バルデスと相次いでホームイン。立て続けのアーチ攻勢で初回いきなり3点を先制。これは素晴らしい先制攻撃。まだアウトは取られていない。いきなりの出来事で動揺したライオンズは内野陣がマウンドへ集合。打ち合わせを行う。 |
ナインに祝福されるバルデス
|
ランナーが居なくなって打席には松中信彦が入る。6試合連続本塁打が土曜日で途切れてから打撃内容がイマイチである松中信彦はこの日もイマイチで、カウント0−3から大きく打ち上げてセカンドフライになる。1アウト。これでなんとなく流れが途切れたように感じた。城島健司はファールとボールでカウントが2−2になったところで見逃し三振に倒れ2アウト。さらに柴原洋も空振り2つとボール2つで2−2になってからの5球目を空振り三振に倒れ、松中信彦以降は見事な3者凡退に終わる。何はともあれ荒金久雄の先頭打者ホームランに今後の可能性を強く感じることができた価値があるイニングであった。
その裏のライオンズは先頭打者の佐藤友亮がいきなり初球を叩きセカンドゴロ(4-3)で1アウト。2番の1999年のルーキーイヤー時にキャンプ見学をして印象に残る選手として記憶に残っている赤田将吾へは新垣がポンポンとストライクを入れていく。あっという間に2ストライクを先行させられ「これは拙い」とファールを1球放って抵抗する赤田であったが、4球目を空振りしてしまい三振に倒れ2アウト!そしてホセ・フェルナンデスは2球目をショートゴロ(6-3)に倒れて初回のライオンズの攻撃は3分程度で終了!とても早い展開に感嘆の声が彼方此方から漏れる。
2回表のホークスは7番のオールスターゲームファン投票選出選手であるフリオ・ズレータから始まる。張誌家は初球・2球目とボールになり不安を感じたが、ここからストライク・空振り・ファールで結局カウント2−2まで持ってくる。が、6球目が内角に抜けてきて死球になってしまう。これは追加点に向けて良い先頭打者出塁である。当然次打者である本間満は打席に入るなり、バットを寝かせる。が、直球攻めの張誌家の初球を寝かせたバットに当てて打球はセカンドの低位置へ。よくもバントの構えでセカンドライナーを放ってくれたもんだ(笑)。走者ズレータは慌てて帰塁し併殺は免れた。バント失敗によるセカンドフライで1アウト。続いて9番の元中日ドラゴンズ・鳥越裕介がこれまたバットを寝かせて打席に入る。嫌な予感は誰もがした。そして的中した…。張誌家の初球を今度は三塁側ファールゾーンへ小フライ。青森県出身の細川亨がキャッチし2アウト。さらに打順が1番に戻り荒金久雄は2球目をショートゴロ(6-4)に倒れファーストランナーであるフリオ・ズレータが封殺されて3アウト。結局無得点に終わるホークス。仲間応援団氏の一人が「言ってた通りだね。初回の松中信彦が完璧に流れを止めたね」と指摘。4番のブレーキがチーム全体に影響してくるとは…松中信彦の復調が待たれる。
試合開始から29分が経過し2回裏に入る。最高の立ち上がりを見せた新垣渚はこの回も難なくこなす。先頭のアレックス・カブレラは初球をショート川崎宗則へのゴロ(6-3)に倒れて1アウト。5番の五輪代表選手・和田一浩へはフルカウントまで粘られるも6球目をファーストへ打ち上げてしまい2アウト。6番の貝塚は3球目をショートゴロ(6-3)に終わり、この回の裏の攻撃は5分で終わってしまう。ここまで、張誌家は40球、新垣渚は17球。
18時36分、3回表のホークスの攻撃はいきなり川崎宗則がストレートの四球で出塁し無死1塁。バルデスのカウントが1−1になった3球目に川崎がスタートを切る。細川亨はストライク送球をしているのだがベースカバーの野手がタッチに入る分だけ川崎の脚が僅かにベースへ早く到達していてセーフになり盗塁成功。無死2塁とチャンス拡大。この間の投球はボールになりカウントは1−2に。川崎宗則はバルデスが4球目を打ち上げてセンターフライに倒れる間にタッチアップしてサードへ到達。脚で1死3塁のチャンスを勝ち取る。調子が悪い松中信彦は初球を見事にキャッチャーの真上に打ち上げて2死になる。やはり調子は悪いようだ。この回無得点に終わるととても気持ちが悪い。城島になんとしてでも川崎をホームに迎え入れるような打球を放ってもらいたいところだ。張誌家はいきなり初球のフォークをワンバウンドに。細川亨は捕球することが出来ずに投球は転々とネット裏へ。川崎宗則はサードから悠々ホームインし4対0に!これは前の回にバントを2つ失敗していて攻撃リズムが悪かっただけにホークスにとっては良い追加点が入った。ランナーが居なくなり城島は2球目を空振りしカウントは1−1に。そして3球目を松中信彦どうようファールフライに倒れこの回は無安打で1点を勝ち取った。
18時45分、3回裏のライオンズは先頭の7番・中島裕之からの攻撃だが、初球空振りからの2球目をサード鳥越へのゴロ(5-3)に倒れて1アウト。続く細川亨は5球目を叩いてセンターフライで2アウト。ラストバッターの高木浩之も3球目をレフトへ打ち上げてあっという間にこの回もライオンズは無得点に終わる。この回が終わり一緒に見ていたO阪応援団の某氏が「こりゃノーヒットノーランペースだのぉ」と私がつけているスコアを見て一言。この一言が後の失点を呼んだとしたら、「口にしたら記録は途切れる」のジンクスが本当であることを証明したことになる。
4回表、18時53分のホークスは柴原洋から始まるが、6球目を空振りして三振に。ズレータはカウント0−2からの3球目をセンターへ打ち上げて2アウト。そして道産子の本間満は柴原同様6球目を空振りし三振に倒れて無得点に終わる。時間にして6分間の下位打線であった。
19時の時報と同時に4回裏の攻撃が始まる。とても速い展開に驚くが、この展開の帳尻を合わせるかのように佐藤友亮が2球目をセンターへ。打球はライナー性であったが柴原洋の前でワンバウンドし新垣渚のパーフェクトピッチングは「口にしたら途切れる」のジンクス通り終止符が打たれる。さらにジンクスは強かったことをこの後実感させられる。
4回裏のホセ・フェルナンデス
|
2番の赤田将吾には初球の甘く真ん中に入ったスライダーをライトへ運び2ランホームラン…バックスクリーンでは花火が上がる。西武ドーム場内は一応禁煙なのではあるが…それにしても打たれたこともショックではあるが、それが初球であることにライオンズの見えない勢いを感じてしまう。その勢いはフェルナンデスへ引き継がれる。初球・2球目と赤田に痛打されたスライダーでストライクが入らないと見るや城島は3球目にフォークを要求。これで空振りを得ると今度はこの打席で温存していたストレートで勝負に出た。しかしレフト前へライナー性の打球を打たれヒットにされる。無死1塁。頑張れ新垣渚!21時前終了試合は君の右腕に懸かっているのだ!しかしカブレラへ初球・2球目とボールが先行。暗雲が垂れ込めてきたように感じる。3球目を強く叩くと打球はレフトへ。ライナー気味ではあったがバルデスが捕球して事なきを得る。これでようやく1アウト。しかし和田一浩は6球目をショート方向へ。捕ったか?に見えた打球は寝転んだ川崎の下を通過しレフト前へ。フェルナンデスはセカンドベースを蹴ってサードへ進塁し1アウト1・3塁とピンチが広がる。「やはり西武は強いなぁ」と感心してしまう。が、貝塚は真ん中高めの初球を見事にショートゴロ!川崎宗則〜本間満〜松中信彦と名前だけを見ると渋い野手を転送されて併殺が完成。どうにかこうにかピンチを切り抜けた。 |
ピンチの後にはチャンスが巡ってくるであろう5回表のホークスは先頭の鳥越裕介がカウント1−1からのスライダーを3球目をライト線へ2塁打としてチャンスメイク。しかしここからが良く判らない。打順が1番に戻り荒金久雄。初回にホームランを放ってはいるものの、安全策としてバント作戦。初球からバットを寝かした。が、張誌家は初球・2球目とストレートを投じるがボールになる。本気でバントがしたければボールでもバントをしてしまえば良いのに…しかし張誌家も2回表の連続バント失敗劇で味をしめたのだろう。バントの構えを見るやいなや、荒金に対しすべてストレートで攻めてくる。が、どうにか打球を殺して4球目を三塁寄りに転がした。誰もがバント成功を確信したのだが、肝心カナメである鳥越裕介が三塁方向へ進んだ直後にセカンドベースへ逆戻り。細川亨は捕球した張誌家に対しファースト送球を指示。当然荒金久雄はアウトに。記録は単なるピッチャーゴロ(1-3)に。「バントはやはり難しいのだな」と野球の奥の深さをなんとなく感じたのではあったが、この後、川崎宗則が4球目のチェンジアップを引っ掛けてセカンドゴロ(4-3)になる間にあっさりと鳥越はサードへ進塁。結果的にはバントを成功させたのと同じようなかたちになる。苦心の末にようやくサードへランナーを進めたものの、この後のペドロ・バルデスは7球目のフォークのすっぽ抜けを空振りし三振に倒れ、結局この回は鳥越裕介の走塁だけが目立つだけの結果に終わった。なお、この回はブルペンでずっと倉野が投球練習をしていた。徐々に張誌家の変化球が抜けてきたような印象を抱いた5回表。
もやってる場内。
|
先ほど赤田のホームランを祝う花火の煙がまだ場内の上層部分に漂う西武ドーム。19時26分、ライオンズの5回裏は先頭の中島裕之がカウント2−0からセンターへ打ち上げて1アウト。続く8番の細川亨はボールが3つ先行したもののカウント1−3からの4球目を詰まらせてサードゴロ(5-3)に打ち取り2アウト。そしてラストバッターの高木浩之は初球、伸びのあるストレートでバッティングすらさせず当てただけのファーストゴロ(3・3)で片付けてこの回の攻撃を終える。ここまで張誌家の85球に対し新垣渚は54球の省エネ投球。彼の実績から言って完投も充分に視野に入れることが出来る内容である。
19時33分のホークス6回表はすっかりブレーキ役である松中信彦から始まる。この調子の悪い信彦、今日は結果を求めるのが酷なようで、ストレート攻めの後のチェンジアップで骨抜きになったところへ6球目を空振り三振に。1アウト。続く城島健司は初球の外気味のスライダーをセンターへ打ち上げて2アウトに。柴原はストレート攻めの2球目をレフトへ流してヒットで2アウトから出塁。後方で手をオムスビ型にして「野球は2アウトからだぞホークスぅ〜」と師匠が叫ぶ。 |
新垣渚、仁王立ち!
|
|
が、その叫びも空しくフリオ・ズレータは2球目をライトへ打ち上げ3アウトになってしまう。この回は時間にして7分だった。
19時40分のライオンズ6回裏の攻撃は実に新垣らしいピッチングが見られた。佐藤友亮をカウント2−2からの5球目を見逃しの三振に仕留めた後の赤田将吾への投球は圧巻だった。初球からストレート系統で散々釣っておきながら、最後の6球目にストライクになるフォークを投じ見事に見逃し三振に仕留めた。これは見事というしかなく勝ちを確信した瞬間でもあった。さらにフェルナンデスは初球をショートへゴロ(6-3)で打ち取りその確信をさらに強くした。6回の新垣渚はたった12球でライオンズを片付けてしまい、手元の計算でここまで66球。1イニング当たりの平均投球数は単純計算で11球。21時前終了が徐々に現実味を帯びてくる。 |
|
19時49分、ラッキーセブンのホークスだが、調子が良い新垣渚にこれ以上の追加点は不要と見たのか、最強(?)の下位打線である8番の本間満はワンバウンドの球を空振りし3球三振に倒れ1アウト、続く9番の鳥越裕介も3球目をサードゴロ(5-3)に倒れて2アウト。あっさりと2アウトになってしまうが打順が1番に戻って井口資仁に代わり1番に起用されている荒金久雄はショートへゆる〜いゴロを放つ。必死に走る荒金は内野安打を勝ち取り2アウトから出塁する。またもや後方に陣取るT師匠の「野球は2アウトから」の一声がこだましての川崎宗則の打席だが、なにを勘違いしたのか?それともセーフティバントを狙ったのか、バントを試みる。打球が死んだのは良かったが、殺しすぎて細川亨がそのまま捕球してファーストへ送球。余裕でアウトになりこの回の攻撃は無得点で終わる。この回、鳥越の初球で100球を越えた張誌家。 |
|
7回裏のライオンズ。時計の針はまだ19時台をさしている。とんでもなく早い試合展開に喜びと驚きを覚える。早い試合展開〜2点差…余り良い思い出のない西武ドームである。ホークスファンは誰一人として安心していないのだろうが、私は新垣渚の伸びのあるストレートを見て大丈夫と踏んでいる。で、先頭のカブレラはカウント2−2からの5球目を空振り三振に打ち取り1アウト。続く和田一浩はストライク〜ボール〜空振りでカウント2−1と追い込んだところでセカンドゴロに。勢いのある打球で本間満は上手に捌くことが出来ずに後逸してしまう。記録は強襲安打ではなく失策となる。が、貝塚が3球目をセカンドライナーに。エンドランが懸かっていたライオンズ。貝塚の打球が強すぎて和田は1・2塁間上に。気付いたときには戻ることが出来ないほどに離塁していた。本間満があざ笑うかのように山なりの送球をファーストへ行い併殺が完成。貝塚政秀は2打席連続の併殺に倒れたことになる。新垣渚の投球数はここまで手元の計算で78球。
20時05分のホークスは8回表。まだまだ試合開始から2時間程度しか経過しておらず、試合途中から駆けつけた仲間は一様に拍子抜けの様子。まぁ買っているからこれもご愛嬌ということで。 |
カブレラ空振り三振の図
|
この回の先頭打者であるペドロ・バルデスは3球目をセカンドゴロ(4-3)に倒れて1アウト。続く今日はここまで3打席全てで凡退を記録している松中信彦であったが、この回は3球目をぶつけられなんとか出塁し面目躍如といったところか。出塁して少しはリフレッシュしてもらいたいところ。が、実は目立たないが今日は城島健司もイマイチでこの打席も6球目をサードファールゾーンへ打ち上げて2アウトに。さらに柴原もストレート攻めにあい5球目をレフトフライに倒れて結局松中信彦の死球は当たり損となってしまい残塁となる。張誌家のここまでの投球数はこの回の16球を含めて122球になっている。
その裏の20時16分、8回裏は中島裕之からの攻撃だが、直球主体でスライダーでカウントを稼ぐ投球の新垣に翻弄され7球目をサードゴロに倒れる。続く細川亨に代わる代打:石井義人が送られる。が、こいつも6球目を細川と同じような打球でのサードゴロ(5-3)で鳥越から松中へ送球、2アウト。今日の鳥越は守備なら安心して見ていられた。そして9番高木浩之は4球目を空振り三振に倒れ見事に3者凡退。5回からの新垣渚は見事に4イニングス連続で3人で攻撃を終了させている。ここまでの投球数は90球ちょうど。口にはしないもののみな完投勝利を確信していた。
相談しよう、そうしよう
|
9回表、ホークスの攻撃は先頭のフリオ・ズレータがボール〜ファール〜ボール〜ボールからの5球目を良く見て四球で出塁。追加点を狙う絶好のチャンスで確実に走者を進塁させたいホークスは代走に瑞季を送る。当然次打者の本間満は送りバント…のはずだった。が、初球をファールにして失敗。2球目に至ってはよりによって投手張誌家へのフライを上げてしまう。第1打席に続いてのバント失敗に少々呆れてしまうが、まだ勝っている余裕である。もうバントは諦めよう!そう考えたであろうベンチは鳥越裕介に対し「打て」のサイン。初球・ボール〜2球目・ファールとともにバントの構えからバスターに転じるような演技を見せる。3球目の大きな空振りは見ていてとても面白かった。ここまで縁起に徹している必死な鳥越が見ていてとても微笑ましい。が、この演技が張誌家の投じる4球目を微妙に狂わせて真ん中低めに入る。これを鳥越裕介があわせて流し打ちしライト前ヒットになる。直後の荒金久雄の打席。初球をサードへ。フェルナンデスは捕球しようと思えば出来るようなハーフライナーをグラブで叩き落として一旦バウンドさせる。当然ファーストランナーの鳥越裕介はファーストベースから僅かに離塁した位置に居る。ワンバウンドを見た瞬間、明らかに慌てていた。ホセ・フェルナンデスは当然目の前のサードベースを踏ん付けて2アウトを、さらにファーストカブレラへ転送し併殺完成かと思われた。しかしここで王貞治監督がベンチを飛び出す。マウンドとセカンドベースの間付近で審判団が4人集まって1分程度協議。 |
輪が解けて柳田主審がマイクでアピール。内容はというとフェルナンデスの故意落球であるからランナーはそれぞれ1・2塁で試合再開。アウトカウントはフェルナンデスが捕球してアウトになったと踏んで1アウトだけが付与される。要するにインフィールドフライと同じ原理が働いたということになるが、打球が早すぎてインフィールドフライを宣告することが出来なかったというのがオチのようだ。故意落球という記録的にはマニアックなものを見た。
ここで投手が136球を放った張誌家から星野智樹へ代わる。まだまだ勝利への執念を燃やすライオンズ。実に気味が悪い。星野智樹は出てきていきなり川崎宗則に対しカウントを0−2にしオイオイと思わせるが、1球ファールをはさんだ4球目をレフトへ打ち上げてしまい3アウトになり瑞季と鳥越がそれぞれ残塁に終わる。
目線を3塁側投球練習場へ移すと念の為に山田と倉野がそれぞれ投球練習をしている。が、今日に限っては「念の為」という枕詞が本当に良く似合う。それほどに新垣渚が危な気ない投球を繰り広げている。 |
|
|
最終回になるであろう9回裏のライオンズの攻撃。時計はまだ20時46分である。最終回に何度となく波乱を見せ付けられていたホークスであったが、今日は違った。先頭打者である佐藤友亮は2球目をライトへフライを打ち上げ僅かにライナー気味ではあったが1アウト。2番赤田将吾へはスライダー攻めであっという間に2−1と追い込んで4球目をファースト松中信彦へのゴロ(3-1)で2アウト。あと一人になっても動じることなく落ち着いて投げる新垣渚は最後の打者であるホセ・フェルナンデスへは僅かにボールを先行させるも4球目をサードゴロ(5-3)に打ち取り見事に106球に完投勝利を完成させた!無四球であることがその価値をいっそう高めた。 |
|
|
試合終了は20時51分。見事21時前に試合を終わらせた新垣渚の投球は絶賛に値する。そして先頭打者本塁打を放った荒金久雄のバッティングに新たな可能性を感じずにはいられなかった今日の試合である。
解散後、勝った後ということもあり2時間以上のバイクでの帰途は快いものであったことは言うまでもない。
home