2004年7月17日土曜日 パシフィック野球連盟プロ野球パシフィック野球連盟選手権試合

株式会社大阪近鉄バファローズ大阪近鉄Buffaloes福岡ダイエーHawks株式会社大阪近鉄バファローズ18回戦
大阪ドーム 14:00〜 観衆;22,000人 観戦場所;3塁側1階特別指定席3列90番
ホークス
0
0
0
0
3
1
0
0
0
4
 
バファローズ
2
0
0
0
1
0
0
0
0
3
 
勝利投手
星野順治 5勝4敗
セーブ
三瀬幸司 2勝1敗16S
敗戦投手
有銘兼久 2敗

審判員・記録員
本塁打
球審
佐藤純一
松中信彦27号打点2・投手:川尻=六回
一塁
前田亨主任
二塁
東利夫主任
三塁
山村達也
公式記録員
吉村俊樹課長

今日殊勲は3四球1失策の有銘?
星野・川尻はともによく頑張った!

 ホークスが1点差で逃げ切り50勝に一番乗りした。
 勝因は近鉄の反撃を断った山田秋親と三瀬幸司の好救援で終盤の防御は危なげなかった。
 大阪近鉄は六回に起用した有銘が誤算。3四球にけん制悪送球で与えた自滅の1点が最後まで響いた。
 
 前夜、東京ドームの読売対ヤクルト14回戦を見た後に高速バスで大阪へ移動という強行軍。たまにはこういう遠征も悪くない。
 週末を控えた金曜日の東京駅八重洲口ハイウェイバス乗り場は23時で夜行バスの発車ピークを迎えていた。所狭しと利用客が殺到。私が到着した段階で名古屋・岐阜・盛岡・つくば・福井、そして大阪の各行先のバスを待つ人たちで膨れ上がっていた。新幹線や飛行機を利用するよりも約半額近い料金でリーズナブルに移動が出来る夜行高速バスは不況下のご時世ではまさに救世主的存在。その中で「青春ドリーム」を名乗る種別のバスは座席は窮屈・ひざ掛け無し・スリッパ無し・リクライニングは浅い・オーディオ無し…しかし大阪まで5000円で行けるので学生を中心に人気が出ている。
 さらに通常のドリーム大阪号もいまや23時50分発便が設定されるなどすっかりとJRバス関東の目玉商品へ成長している。
 で、私は23時20分発のドリーム大阪9号の1号車に乗る。指定された座席は23番A席。一般的にドリーム号の20番台座席はダブルデッカーの1階部分の座席を指す。ドリーム大阪号は独立シートでリクライニングが深いことが売りなのに1階席だと車種によっては青春ドリームと変わらないくらいに隣と座席がくっついている窮屈な座席であると評判が悪い。嫌な予感はしていたが…予定より15分遅れてやってきた車両はJRバス関東所属の車両で、ふたを開けてみれば無事に独立した場所の座席だった。このバスはD674-00502で1階の座席配置は21番のA席とB席、22番A席とB席がくっついていて、23番A席と24番A席が独立されている。恐らく23番B席と24番B席はいつの間にか撤去されているようだ。これはラッキー。隣が居ないばかりではなく元々あった座席を撤去しているお陰で座席の脇に荷物を置くスペースまである。足を伸ばしてリクライニングを倒して速攻に寝ることにした。外を確かめると首都高速3号線三軒茶屋を通過するところだった。
 次に目覚めるとバスは新御堂を走行中。まもなく千里ニュータウンバス停に到着するところであった。大阪駅が近いのでリクライニングを起こして降車の支度をする。
 大阪駅の構内ではICOCAカードが東京でも利用が出来るようになるとの告知ポスターが所狭しと掲示されている。関東では「Suicaが関西でも使える」という案内ポスターは見たことが無いので対照的な様子に目を見張る。
 同伴者とは10時に近鉄難波駅で待ち合わせだったの2時間半の暇が生じた。とりあえず手元にあるICOCAカードに1000円チャージを行いJR京都線に乗る。目的地は2駅東京寄りの東淀川駅。2駅といっても新大阪駅の先端から東淀川駅が見えるくらいに両駅は近い。そんな東淀川駅の両端には踏切が。この踏切、ラッシュ時間帯はほとんど開閉しないらしい。見かねて当時の国鉄は気を利かせて構内の地下通路を一般に開放している。オレンジ色の瓦屋根が印象的な東淀川駅は新大阪駅周辺の再開発エリアから数百メートルしか離れていないのに別の空気が流れているような気配すら感じる。東口のわににある「虎」と書かれた意味不明な屋台がそれをいっそう助長させてくれる。
 西口で降車したので今度は東口の自動改札から入場。JR京都線で再び大阪に戻る。大阪駅のホームにはICOCAの入金専用機械が設置されていて、東京地区でもICOCAが使えるようになるとの告知が機械にラッピングされている。
 続いて乗車したのは大阪環状線外回り電車。伝統の103系電車に乗り大阪から2駅先の桜ノ宮駅に向かう。まずは京橋寄りの西側改札から降りて東改札に向かう。電柱にはTVKテレビを良く見ていた人には御馴染みなホテルの看板が掲示されていた。東改札は大川が近くを流れているので猛暑で日差しは強いものの若干の涼を感じることができる。それにしてもJR西日本は国鉄時代から引き継いでいる103系車両を同社のメイン路線である大阪環状線でいつまで使い続けるつもりなのか。
 たびたび比較されることが多い東の山手線は1985年に103系が引退して205系が登場し、さらにこの205系も山手線から引退して他線へ転属し始めているというのにJR西日本の103系は体質改善工事と称して老体に鞭を打つかのようなことをしている。見た目、車内設備はきれいに見えるが、乗務員室内は古きよき国鉄時代の環境を色濃く残している。この絶妙なまでの対比は見ていてとても面白い。ここまで改造して体質改善をする方が新車を製造するコストよりも安いのなら納得ではあるが…。
 大川を渡りトボトボ歩いているうちにラブホテル街にぶち当たる。大阪にはラブホテルが本当に多い。そのラブホをかき分けるように歩くと天満駅が見えてくる。
 天満駅は2面2線ではあるがホームの配置が山手線渋谷駅のように外回りホームが内回りホームに背を向けた形となる変則的な相対式ホーム。外回りホームの内回り線側には柵がしてある姿はまさに渋谷駅そのもの。
 10時05分に難波に到着する列車で同伴者は大阪入りするとのことで、私も難波へ移動する。天満駅員によると難波へは梅田に出て御堂筋線に乗るよりも鶴橋駅に出て近鉄電車に乗ると便利だとのこと。それに従い外回り電車に乗り込む。車内は10時を前にして比較的混雑している。大阪環状線は短距離の利用が多いようで乗客は手にきっぷや定期券を持った状態で乗っている。改札入場から出場までのJR利用が短いことを端的に示している。
 鶴橋駅の近鉄乗換え改札で手持ちの残額が余っているJスルーカードを先に通し、続いて天満で改札を通過する際に利用したICOCAを改札機にタッチ。3番線ホームに出ると名古屋からのアーバンライナーが到着。駅員がしきりに「この列車にはご乗車できません」と繰り返し放送していた。近鉄は恐らく鶴橋から難波までの座席指定券は発売しない方針なのだろう。実はこのアーバンライナーに同伴者は乗車しているらしい。私はこのアーバンライナーに乗車するわけにはいかないので、続いてやってくる普通電車の難波行きを待つ。鶴橋の次は上本町。続いて日本橋と続き終点の難波駅に到着。予定通り待ち合わせできた。
 せっかく難波までやってきたのだからホークスファンとして行っておきたいスポットがある。南海電気鉄道による再開発事業が完成し出来上がったビルの名は「なんばパークス」。そのオープンスペースに見覚えのある五角形が。これこそ在りし日のホークスの本拠地・大阪球場のホームベースがあった場所で、現在もその位置にホームベースとピッチャーズマウンドが刻まれている。よく見ると大阪球場のロゴが刻まれている。  エレベーター乗り場のそばには7階にメモリアルギャラリーがある旨の案内看板が掲示されている。よく見ると中段の画像には優勝した際に進呈される賞品が山積みされているのがわかる。現在であれば目録だけ渡されて商品は後日送付が一般的なのであろうが、当時は日本シリーズの入場者数を見ても判るように野球が今ほどポピュラーなスポーツではなかったことを如実に表していることがわかる。
 エレベータで7階へ上がるといきなり見覚えのある漫画家が書いた南海ホークスのユニフォームを着たあぶさんが出迎えてくれた。南海ホークスが終焉を迎えてなんばパークスが出来るまでの間、南海電鉄の倉庫で眠っていたであろうお宝物品の数々が陳列されていて興味深かった。
 陳列物に続いて南海ホークスと大阪球場の歴史についての掲示があり興味深く読むが、1973年の欄にどういうわけか監督の氏名が記載されていないことに気付く。1969年の飯田徳治氏までと1979年の広瀬叔功氏からはしっかり記載されているが、なぜか1970年から1978年までが記載がない。1978年は欄がないので球団としてたいしたトピックがないのだろうと予想できるが、1977年は監督が途中交代するなどの一大トピックがあるだろうと問い詰めてしまう。ここに野村克也氏の氏名が入ることは永久にないのだろうか。
 それにしてもリーグ優勝した際の連盟発行の表彰状に書かれた文言というのはこうも紋きり口調なんだなぁと感心させられる。
 続いて「麺だらけ」と呼ばれるラーメン屋さん街のそばにある南海ホークスの選手たちが掲げられてあるスペースに進む。投手・打者・野手に分別されていて、打者のボードには妙に広く開けられたスペースがある。まさかここになんの事情も知らない担当者が野村克也氏のトピックを入れていて、南海側が慌てて削除したのか?
 しかしこの栄光の選手たちの中に香川伸幸がラインナップされていたのには笑えた。
 なんばパークスの見学を終えてJR難波駅付近で茶をしばいた後に市営バスで大正橋へ。
 久方ぶりにやってきた大阪ドーム。ショップバフィ前では妙に色落ちした本来なら真っ赤なはずの「がんばれ大阪近鉄バファローズ」の幟がまるで労働組合の闘争現場のような勢いで並んでいる。これが本当の「赤旗」である。
 さらにショップバフィの壁には全日空のキャンペーン告知ポスターが貼られている。それによると全日空はパープルサンガ、セレッソ、ガンバ、バファローズ、タイガースを応援しているそうだ。全部同時に応援しているのであれば極めて節操のない某連立与党のようでさすがは全日空である。このポスターも申し合わせたように色あせているのが笑える。ところで関西にはもう1球団、YAHOO!に魂を売った球団があったような気がするが…。
 西九条から近鉄難波までの阪神西大阪線延伸工事が行われている脇を抜けてすでに開門している場内に入る。
 今日は3塁側特別指定席での観戦なので打席に手が届くようなほどに見やすい。
 先週のオールスター長野開催の際に撮影した写真を持ってレフト外野席のホークス応援団の位置へ挨拶に行く。その足でライトスタンドの大阪近鉄応援団席にも出向き写真を渡してくる。写真はいずれも好評で、大阪近鉄さんの応援団各位に笑って受け取ってもらえたことが何より嬉しかった。
 球場の外周通路を回って1周して自分の座席に戻ると場内ではパシフィック野球連盟歌である「白いボールのファンタジー」が流れてきた。先週死ぬほどに歌って覚えたのでソラでスラスラ歌えるようになった。
 スタメン発表を前に場内のビジョンに「ようこそ、バファローズスタジアムへ」の文字が表示された。しかし本当のバファローズスタジアムは近鉄藤井寺球場ただひとつであることを明確にしておきたい。
 場内を見渡すと昨日の東京ドームでも見かけた地下鉄の広告が目に付いた。といってもこちら大阪ドームの場合はビジョンではなく常設の広告で内容も市営地下鉄ならではの硬い文字だけで面白味には欠けるものの、実用的ではある。大阪ドームも半ば市営みたいなものであるわけで、空き広告の有効利用といったところか。
 そんななか、ライトスタンドを中心に球界再編に対しての反対を表明したボードが掲げられてスタメンが発表される。
Fukuoka Daiei Hawks
井口
川崎
バルデス
松中
城島
ズレ|タ
柴原
宮地
本間
星野
守備
4
6
7
3
2
DH
8
9
5
P
8
6
7
3
DH
3
7
9
2
Bu
大村
水口
川口
中村
マリオ
北川
益田
阿部真
的山
川尻
Osaka Kintetsu Buffaloes

 ホークスは1番から5番までは不動のオーダー。6番と7番については今日は入れ替えていて、最近の高打率を反映しフリオ・ズレータを6番に上げた。対するバファローズは5番にマリオを入れて北川を下げた。先発投手はホークスが星野順治、バファローズが川尻哲郎という渋い顔ぶれとなっている。
 
 
 

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