2004年6月13日日曜日 パシフィック野球連盟プロ野球パシフィック野球連盟選手権試合

株式会社福岡ダイエーホークス福岡ダイエーHawksオリックスBluewave株式会社オリックス野球クラブ13回戦
福岡ドーム 13:00〜 観衆;48,000人 観戦場所;レフト側センター寄り外野自由席
ブルーウェーブ
0
0
0
0
2
0
1
0
0
3
 
ホークス
0
4
2
3
1
2
0
0
x
12
 
勝利投手
山田秋親 3勝1敗1S
セーブ
三瀬幸司 2勝1敗13S
敗戦投手
本柳和也 4勝6敗

審判員・記録員
本塁打
球審
柿木園悟
松中信彦22号打点1・投手:野村=二回
一塁
丹波幸一
ホセ・オーティズ12号打点2・投手:山田=七回
二塁
永見武司部長
三塁
山村達也
公式記録員
山川誠二

勝利の立役者・日本経済新聞
試合前のスクープ記事が全て

 ホークスが昨年5月以来の7連勝。貯金を今季最多の15として首位を堅持した。7回に同点とされると、その裏の二死満塁から代打瑞季の右中間三塁打で勝ち越し。8回にも駄目押しの2点を加えた。
 7回にオーティズの2ランなどで5点を奪って追い付いたオリックスは終盤相手の勢いに屈し、2度目の4連敗。
 目覚めると9時50分。ホテルのチェックアウト限度時刻の10分前だったので飛び起きる。とりあえず眠さを振り切りフロントへ連絡。チェックアウトを過ぎてしまうが5分間の執行猶予をもらう。慌てて着替えて荷物をまとめてチェックアウトの手続きを行う。
 昨日とはうってかわって晴天に恵まれた博多駅前。足早にホテルを出て博多駅バスセンターに向かう。10時15分ころの定期便西鉄バス福岡タワー南口行きに乗り込む。他の地域では「比較的多い」程度の数しか居ないホークスファンではあるが、さすがは本拠地・福岡だけのことはある。ホークスファンはとても多い。
 宿泊したホテルでもらった朝日新聞を読みながら到着を待つ。バスが都市高速を走り西公園ランプを抜けると福岡ドーム前バス停で大量の乗客を降ろす。私はその次の国立医療センター前バス停で降りる。ここで降りる方がとても便利であることはまだあまり認知されていないようなのがもったいない。
 10時45分ころ、外野席7番ゲート前で応援団諸氏とトーク。この時点ではまだ誰も何も知らなかった。
 数分後、やってきたQ州の人が手に持っていた新聞が福岡ドームでの野球観戦に妙に不釣合いな日本経済新聞であった。私は昨日の日経新聞を広げて「めしのはんだや、全国展開」の記事を仲間と見ていたのだが、今朝の日経新聞にはそんな記事など吹っ飛ぶ驚くべき記事が載っていたのだ。
「近鉄球団 オリックスに譲渡交渉 球界再編の可能性」
 手持ちの今朝付け朝日新聞にはまったく触れられていない記事なだけに眠かった頭がシャキっとした。それ以上に真っ先に考えたのは「5球団でパ・リーグは運営できるのか?」「溢れる選手の身分はどうなるのか?」ということ。
 こういう記事はたいていの場合はゴシップであることが多いのだが、情報ソースが東京スポーツではなく日本経済新聞であることからかなり信憑性が高いことが伺える。
 そんな話をしているうちにあっという間に開門時間を迎えた。
 まずは所定の位置にご挨拶。荷物を置いて落ち着くが、話題はやはり合併問題。この3連戦の対戦相手が合併当事者の片方であるオリックスブルーウェーブなだけに複雑というか切なさが漂う。 その後にライトスタンドの応援団席に向かいしばしから揚げを食しながらの談笑。
 ライトスタンドからは対岸に位置する3塁側のスタンドには昨日に引き続き人文字軍団が陣取っている。昨日は福岡のローカル朝番組「アサデス」の企画だったらしいが、今日は夜の同じく福岡ローカル番組「ナイトシャッフル」の企画らしい。いずれの番組も関東人の私には見ることができない。人文字はどうやらPL学園の指導を仰いでいるとのことで昨日の素人人文字とは少々わけが違うようで、文字の色に合わせたシャツを着用。まるで某国元首の誕生日を高らかに祝うマスゲーム大会を見ているようだ。
今日も人文字。
おめでとうプラン?
 ライトスタンドでの談笑を終えてセンター付近にある自分の座席に戻る途中、ホークスの選手をモチーフにした弁当の看板を見かけた。松中・城島・斉藤・川崎・和田・新垣と人気・実力を兼ね備えた選手の名前が並んでいるが、この中に寺原と杉内の名前もあることに違和感を覚える。杉内の弁当にブルガリアヨーグルトが入っていないのもちょっとなぁ(笑)。
 試合前恒例の「選手とキャッチボール」。今日はカソコウヘイくんがグラブを持ってキャッチボールをしている。そのお相手は吉本。昨日の「選手とキャッチボール」のお相手が川崎宗則であっただけにその落差といったらちょっと気の毒ではあるが…。
 しかしその吉本が実は今日の日替わり三塁手スタメンだったりする情報が早々とi-modeで入ってくる。
Orix Bluewave
Bw
村松
平野
オ|ティズ
塩谷
斉藤
山崎
三輪
野村
守備
8
4
3
7
5
6
DH
2
9
P
4
6
7
3
2
8
DH
9
5
井口
川崎
バルデス
松中
城島
柴原
ズレ|タ
出口
吉本
グ|リン
Fukuoka Daiei Hawks
 あらかじめi-modeでスタメンがわかってる状態で福岡ドーム場内でもスタメンが発表される。今朝の日経新聞で衝撃報道の後を受けてのブルーウェーブのスタメンはブラウンを外して指名打者に山崎武を、オーティズを3番に格上げしライトに迎を入れテコ入れをしているようだ。
 対するホークスは日替わり下位打線である8番には宮地に代えて尼崎市出身の出口雄大を、9番には瑞季に代えて不知火町出身の吉本を入れている。鳥越が戻ってくるまでは日替わりは止むを得ない。ブルーウェーブの先発投手は新人の野村。ホークスはローテーション投手のグーリン。この騒動の中で、完全なアウェイ状態である福岡ドームでのプロ初先発は野村にとって酷ではあるが、これもプロ。どのような投球をするか気になるところ。
 始球式はサーパスマンションにお住まいの白津さんが行う。打者はもちろん村松有人。 
 型どおり空振りして始球式が終わり定刻どおり試合が始まる。
 いきなり村松が初球をセンターへ打ち上げて1アウト。次の平野はライト前ヒットし1アウト1塁。しかしオーティズは初球をセカンドフライであっさりと2アウト。さらに4番の谷くんはというとカウント2−2からの5球目を空振り三振。さして調子の良さそうでないグーリンを早速打ちあぐねている。
 ホークスの初回の攻撃もあっさりしたもので、先頭の西東京市出身・井口資仁こそ6球粘ってのショートゴロであったが、2番の鹿児島県出身・川崎宗則は2球目をセカンドゴロで2アウト。さらに3番のプエルトリコ出身のペドロ・バルデスは3球目をライトへ打ち上げてこの回の攻撃は終了。
 初回の攻撃が終わったところでレフトポールの方を眺めると、今何かと世間を騒がせている三菱ふそう社の広告が掲示されている。だから何なのかといわれると少々困るが、来年以降は見られない看板かもしれない。
 2回表のブルーウェーブは塩谷和彦からの攻撃で、追い込まれながらもライト前ヒットで出塁。斉藤がファールでバントを失敗しながらも丁寧にスリーバントを決めて(1-3)1アウト2塁と形を作ってくる。7番指名打者山崎武司は2球目をライトへ打ち上げる。打ち取ったと思いきや出口雄大の前にポトリと落ちる。慌てた塩谷和彦はサードでストップ。1アウト1・3塁のチャンスとなりまたもやランナーを背負っての投球となるグーリン。しかしここからが今日のオリックスを象徴しているかのようなやる気の無い攻撃となる。8番の選手会長・三輪が6球目を空振り三振で2アウト、9番の迎も6球目を打ち上げてライトフライでランナー2人が残塁。三輪・迎とグーリンはフルカウントで苦しんでいるというのに簡単に凡退してしまうのは敵ながらもったいない。
 で、裏の攻撃のホークスは先頭の松中信彦がカウント1−0からの2球目を待ってましたと打ち上げてあっという間にライトスタンドへ突き刺さる22号先制ホームランを放つ。できればランナーをためてガツン!というのが理想的ではあったが、このホームランでは終わらないのが打線好調のホークスのすごいところ。5番の城島健司も2球目を打ちセンターオーバーの2塁打を放つ。6番の北九州市出身・柴原洋はフルカウントからセカンドライナーに倒れるものの7番パナマ出身、フリオ・ズレータが四球を選び1アウト1・2塁のチャンスを作る。出口はライトフライに終わるものの9番に入っている吉本がカウント0−2からの3球目をライトへ引っ張り見事セカンドランナーを迎え入れて追加点!得点は2対0に。
ホームインする松中信彦
 吉本が打ったのならと打順は1番に戻り井口資仁@田無出身がこちらもフルカウントからの6球目をレフトへ引っ張りランナーを一掃し4対0に。合併報道なんぞ関係無いと言わんばかりの容赦ない攻撃はオリックスのやる気の無さを浮き彫りにする。が、武士の情けか、川崎宗則は2球目をセンターへ打ち上げて2回表の攻撃は打者9人を送り込んだところで終了する。
 こんなところで戦意を喪失しては困るのだがオリックスは3回表、1番村松有人がカウント0−1からの2球目をセカンドゴロ、2番平野が5球目をレフトフライ、オーティズは6球目をサードゴロで三者凡退に、続く4回表も谷が2球目をライトフライ、塩谷が5球目を見逃し三振、斉藤が4球目を空振り三振となんだかすでに帰宅モードに入っているかのような攻撃。あのような報道の後の試合なだけにダレるのはわからないでも無いけど、、、一応プロなんだし、僅かとはいえ一生懸命に応援しているブルーウェーブファンのためにも少しは意地を見せてもらいたいところである。
 そんななかホークスのレイプ打線はというとオリックス青波子ちゃんをもっともっと攻める。投手が3回から小倉に代わっている。ここで小倉が出てくるのなら何で最初からこの小倉が先発すればいいのではと一斉に突込みが入る(笑)。その小倉も出てきていきなりバルデスからの上位打線からとは少々気の毒ではある。そのバルデスこそ3球目をセカンドゴロに打ち取り、松中信彦をファーストゴロ(3-3)とあっという間に2アウト。しかし城島健司には初球をセンターオーバーの2打席連続2塁打を打たれる。打たれただけならまだしもセンター谷のセカンドへの返球が悪送球となってしまい城島健司はサードへ進塁する。続く柴原洋は6球目をファーストゴロに。これで終わりかと思われたがオーディズがとれずに城島健司がホームインし6対0に。続くパナマの怪人、フリオ・ズレータへは四球を出してしまい2アウト1・2塁に。あらら無残なオリックス。大丈夫かと敵ながら心配していたところで出口雄大は5球目を見逃し三振でこの回の攻撃を終える。4回裏のホークス打線は井口がセンター前ヒットで出塁したものの、結果的には4人で攻撃が終わる。
男子WCにあった落書
 ここで筆者の腹痛がとてもひどくなってくる。スコアブックを片手に通路付近でホークスの攻撃終了を待ってトイレにダッシュする。
 トイレの個室へ駆け込むと座った場所の目線の位置に「裏切り者 脱税王「小久保」クタバレ!」「ヒザ痛いばっか言うな!」の落書きが目に入る。トイレに入ってまで落書きをする暇人がいるんだなぁと考えながらもカメラでこの書き込みを撮影している私(笑)。
 ホッと一息しながら自分の座席に戻る。5回表のブルーウェーブは山崎武司がトイレで一息ついている間にフルカウントからライトフライに倒れていた。1アウトから三輪はセカンドへ内野安打を放ち出塁。しかし迎はライトフライに。2アウトから村松有人が打席に入る。この村松が今日のブルーウェーブ打線で一番の打球をセンターへ放つ。打球はぐんぐん伸びて行きフェンス直撃。俊足・村松はあっという間にサードベースへ到達し、ファーストランナーの三輪は当然ホームインしている。得点は6対1に。続く平野は初球をキャッチャーゴロ(2-3)に終わりこの回は1点を返されるに終わった。
かちたかー!
 6回は両チームともにランナー1人を出し合うも無得点に終わる。得点は6対1のままイニングは7回に入る。
 オリックスは先頭の山崎武司がセンター前ヒットで出塁。点差は4点差なのでランナーをためるしかないオリックス打線。続く三輪も四球で続き無死1・2塁。ここでグーリンの球数が手元の計算で103球を数えた。王貞治と尾花が同時にベンチから出てきて投手がグーリンから山田秋親にスイッチした。山田秋親といえば5月25日の対ファイターズ11回戦@札幌ドームで5対5から出てきていきなりエンジェル・エチェバリアに勝ち越し3ランホームランを打たれているのを見ているだけに嫌な予感がした。とりあえず山田にとっての先頭打者である迎の代打、ブラウンはセンターフライに打ち取る。その間にセカンドランナーの山崎武司がタッチアップしサードへ進塁。1死1・3塁となる。が、問題はここからで打順1番の村松有人は粘りに粘り8球目をライト方向へヒットを打ちサードランナーが悠々ホームイン。得点が6対2となる。
山田投球練習中の柴原
 さらに1アウト2・3塁となり平野がセンター前ヒット。サードランナーの三輪は当然のこと、俊足の村松がものすごい勢いでホームベースを駆け抜ける。得点6対4。どうしたことかオリックスにやる気が出てきたのか?それとも山田秋親が悪いのか?その判定をつけるべくオーティズがカウント1−0からの2球目を強く叩くと打球は大きな放物線を描きレフトスタンドへ入ってしまう。オーティズの12号ホームランでオリックスは6対6の同点に追いつく。起死回生とはまさにこのこと。5月25日の再現か?札幌ドームでは一瞬の出来事ではあったが、今回は真綿で首を絞められるかのような反撃。山田君、グーリンの座布団を全部もってって!って感じである。さらに祭りは続く。谷君へは四球を出してしまい泥沼の様相を呈してくる。実は14時53分から始まったこの回のオリックスの攻撃はとても長く、実はまだブラウンの1アウトしか取っていない。その1アウト目も犠牲フライなので正味まともにアウトは取っていない。が、その空気を察したのか?塩谷和彦の打球はショートのグラブに吸い込まれていく。川崎宗則が捕球しそのままセカンドベースを踏ん付けて2アウト!そのままファーストへ送球し塩谷もアウトになり6・6・3の併殺が成立。長かったこの回の攻撃がようやく終わる。それにしても同点止まりだとはさすが尾花の教え子である。 オーティズ生還の図
 その裏のホークスの攻撃は四番八代出身の松中信彦からだったが初球をいきなり打ち上げてライトフライで1アウト。しかし城島健司に小倉(まだ小倉が投げているのだ)は3球目をぶつけてしまう。死球でも出塁は出塁なのでありがたく頂戴しておく。が、せっかく膨らんだチャンスのつぼみも柴原がセカンドゴロを打ちもう終わりかと諦めた。しかし柴原の足がかろうじて速く城島の封殺による2アウトだけで済んだ。ここでパナマの怪人、フリオ・ズレータが敬遠され歩かされる。ズレータへの敬遠だなんて見たことが無かっただけに偉くなったもんだ。 瑞季三塁到達!
光り輝く7回裏の3得点

 
 
 
 
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