2004年6月15日火曜日 パシフィック野球連盟プロ野球パシフィック野球連盟選手権試合
株式会社福岡ダイエーホークス福岡ダイエーHawks大阪近鉄Buffaloes株式会社大阪近鉄バファローズ12回戦
東京ドーム 18:02〜 観衆;52,000人 観戦場所;ライト側外野自由席
バファローズ
0
0
0
2
0
0
1
1
1
5
 
ホークス
0
2
0
0
2
1
1
0
x
6
 
勝利投手
斉藤和己 5勝2敗
セーブ
三瀬幸司 2勝1敗14S
敗戦投手
ジェルミー・パウエル 2勝5敗

審判員・記録員
本塁打
球審
丹波幸一
フリオ・ズレータ17号打点2・投手:パウエル=二回
一塁
川口亘太
松中信彦22号打点1・投手:パウエル=六回
二塁
秋村謙宏
大西宏明4号打点1・投手:三瀬=八回
三塁
山本隆造主任
公式記録員
山田繁

小池秀郎の一人相撲
ホークス、初の関東主催試合

 ホークスは同点の五回、井口資仁の適時二塁打と川崎宗則の左犠飛で2点を勝ち越し。六回以降も松中信彦の23号ソロなどで加点し4年ぶりの8連勝。
 大阪近鉄は九回、1点差にまで迫ったが、その後の無死一、二塁を逃した。
 
 昨日、西鉄夜行バスで帰京したばかりで午後出社したので、今日勤務を丸1日休むのはもったいない。そこで今日は午前中のみ出社して午後から休みをもらうことにした。
 14時が午後休みの業務終了時間になっているので残務の引継ぎを終えて恐縮しながら事務所を出る。バイクで国道246号線を進む。今日は東急田園都市線池尻大橋駅にバイクをとめて出掛ける。世田谷区池尻と目黒区大橋の地名がくっついてできた駅名ではあるが、この駅が開業した以後の利用者的には地名がくっついているという違和感はほとんど無い。
 地下駅にしては極めて低層な位置にある当駅は地下2階が乗車スペースになっている。乗車口である地下2階から改札階である地下1階まではエスカレーター・エレベーターの設置はあるものの、地下1階から地上に出るまでにはそのような設備が無い。
 当駅から永田町まで直通で出て、永田町より東京メトロ南北線に乗り8分で東京ドームの最寄り駅である後楽園駅に到着。
 多忙と金欠を極めていて関東の試合よりも北海道開催を優先した結果、年に数回しか行かなくなった東京ドームは今年からジャイアンツの専用グラウンドと化していた。グッツ売り場は昨年までの中立色は影を潜めジャイアンツオレンジが目立つようになっていた。そのうえ今日はあまり無関係であるパ・リーグ開催であるにもかかわらず、なぜか売られているのはジャイアンツグッツのみ。う〜む。
 内野の正面に掲げてある東京ドーム独特のボードに「ダイエー対近鉄」と表示されていることに感慨を新たにした。
 開門時刻の30分前に当たる15時45分に25番ゲートに到着。
 今日はなにやらチケットの売れ行きがよいらしく外野ゲート前には黒山の人だかり。久々の関東開催試合に顔を出すこともあり、ホークスの応援団諸氏から「久しぶり」や「札幌の人が来た」と声がかかる。強調しておくが、筆者は決して札幌に引っ越したわけではないので念の為。
 開門され、座席確保のために走る。25番ゲートを抜けるとレフトスタンドのときとは逆である左側に曲がる。ライト側のゲートだけあってレフトスタンドよりも近い。場内に入るといきなり聞き覚えはあるものの東京ドームでは場違いなメロディが鳴り響く。この曲こそホークスが福岡ドームで勝利した際に花火が破裂する直前に流れる曲(曲名不明)。九州島以外で耳にするのはかなりの違和感。さらに追い討ちをかけるように場内アナウンスのウグイス嬢の声が福岡ドームのそれと同じ声なのである。主催チームの所属ウグイス嬢で進行されるのはあらかじめ承知していたとはいえ、かなりの違和感を覚える。
 違和感といえば我々が陣取るライトスタンドからの東京ドームの眺め。レフトに慣れているがためにこちらもかなりの違和感を覚える。今日はいくつの違和感を覚えて帰れるのだろうか???
 ライトスタンドの前でさくらんぼを頬張る仲間が居たので私も試食させてもらう。普段はあまり食べないさくらんぼだが、今回のさくらんぼはとても甘く何度でも食べたくなるようなくらい美味しい。実がプリプリしていて張りがあり瑞々しい。
 そんなさくらんぼの試食会をしている間にグラウンド内ではバファローズの打撃練習が終わり、スタメンが発表される。
 
Osaka Kintetsu Buffaloes
Bu
大村
水口
北川
中村
バ|ンズ
大西
益田
阿部真
的山
パウエル
守備
8
4
3
7
5
6
DH
2
9
P
4
6
7
3
2
8
DH
9
5
井口
川崎
バルデス
松中
城島
柴原
ズレ|タ
高橋
瑞季
斉藤
Fukuoka Daiei Hawks
 ホームゲームなのでスタメンの発表は大阪近鉄に続いてとなる。福岡ドームではすっかりお馴染みになっている長いコンピュータグラフィック映像が流れる。ウンザリしたころにようやく1番からスタメンが発表される。ホークスは9番に日曜日活躍した瑞季を起用。先発は一応エースの斉藤和己。対するバファローズはジェルミー・パウエルが先発する。
 スタメン発表後に見慣れないキャラクターが登場する。東京ドームではまったく馴染みが無いハリーホーク一家である。
 ところで試合前、勤務先の事務所で得た情報によると今日の試合は前売り券が飛ぶように売れ、当日券は外野自由席500枚のみであると聞いていたが、いざ開門し試合開始前を迎えても一向に座席が埋まらない。おかしいなぁ。チケットが買えずに入場できないお客さんがたくさん居たと聞いているだけにどうも納得がいかない。福岡ドームではファームの試合のチケットを約10万枚配布しまくって去年の開催は4万人の動員を集めたとの話しがあるが、同様のことを今回もやってこの程度の集客しかないとのことなら、関東人はそれほど暇ではなかったということが証明されたということか。
 スタメンが発表されると福岡ドーム同様、音楽が鳴り響き肌の露出面が広い衣装を身に着けたハニーズによるダンスが行われる。何度見ても「野球に関係ないじゃん」と突っ込んでしまうが、これが無いなら無いで「来ないのか?」と感じるだろうし...
 視線をセンターバックスクリーンの上に向けると日本シリーズ優勝を示すチャンピオンフラッグが吊る下げられている。もちろん連盟旗と機構旗をはさむように球団旗も掲げられている。来年以降、大阪近鉄とパ・リーグ旗を見ることができるかどうか微妙なだけに感慨深いものがある。
 試合に先立ち表彰式が行われる。福岡に本拠地を置く球団がいったいなんで地方開催である東京ドームで表彰式なんぞ行うのかと思ったが、表彰の対象は柴原洋で、スポンサーABCホーム。柴原洋は先週東京ドーム開催の日本ハム対福岡ダイエー戦においてライトスタンドにある柱に掲げられているABCホームの広告ポールにホームランボールを直撃させた。このホームランに対し同社が罰金で苦しむ杉内も羨むであろう300万円の目録を進呈するという。ライトスタンドにこのような懸賞つき広告を設置した同社は恐らく松井秀喜や高橋ヨシノブといった左打ちの長距離打者が多いジャイアンツのファン企業なのだろう。まさかABCホームの上層部も福岡の球団の選手に打たれるとは思っていなかっただろうし、さらに言うとビジターチームの選手が放ったホームランの賞金を翌週同じ球場でホームゲームを行っているとは想定外であっただろう。
 柴原洋の一攫千金表彰式が終わると続いては王貞治氏の監督通算1000勝に対する表彰が行われる。プレゼンターに誰が出てくるのか?またABCホームの上層部か?それとも日本野球気候のお偉いさんか?と予想していたところに予想外の人の名が。その人は王貞治氏が現役選手時代にバッティングコーチを務めていた荒川博氏だった。
 荒川博氏自体は監督が読売時代に世話になった人間なわけで監督としての成績や功績にはあまり無関係といえる気がするが、機構や連盟や企業の偉い人が出てくるよりはマシ。先週1000勝で今週ホームゲームで表彰式とはなんだかとってつけたような日程ではあるがまずは功績を称えたい。
 時報が近づき、レフトスタンドが盛り上がりを見せる。始球式は先ほど出てきた荒川博氏により行われる。打者は大村。
 始球式が形式どおり終了し試合が始まる。時計の針は18時02分であった。試合は始まるが、再三言うように今日は東京ドームでありながらイニングの裏の攻撃なので試合は始まるが攻撃はまだ始まらない。ライトで守備に就く高橋のユニフォームがホーム用であることが違和感をいっそう引き立たせる。
 そんな違和感に浸っている我々の目をいきなり先頭打者の大村が覚醒させる。初球を引っ張りライト線へ2ベースを放ちさっそく斉藤和己がピンチを迎える。初回から手堅く送るのかと思っていたが2番の水口栄治は3球目を強く叩きこちらもライト線へ。しかし打球を追いかけるまもなく松中信彦のファーストミットの中に収まり1アウト!これでホッとしたのか、斉藤和己は3番北川博敏と4番中村紀洋をいずれも3球でショート川崎へのゴロに仕留めて3アウト!とりあえず初回の近鉄の攻撃を無得点に収めた。
 その裏のホークスの攻撃、大阪近鉄の先発であるジェルミー・パウエルが見事なピッチングで3者連続空振り三振に切ってとりこちらも見事な立ち上がりを見せる。

 
 
 

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