2004年4月29日木曜日 パシフィック野球連盟プロ野球パシフィック野球連盟選手権試合

株式会社オリックス野球クラブオリックスBluewave西武Lions株式会社西武ライオンズ6回戦
ナゴヤドーム13:00〜 観衆;26,000人 観戦場所;一塁側内野自由席
ライオンズ
1
2
3
0
0
0
0
0
1
7
 
ブルーウェーブ
2
2
0
0
7
1
0
2
x
14
 
勝利投手
マック鈴木 1勝4敗
敗戦投手
松坂大輔 2勝3敗

審判員・記録員
本塁打
球審
東利夫主任
中島裕之5号打点3・投手:ムーア=三回
一塁
山村達也
二塁
前田亨主任
三塁
小寺昌治
公式記録員
山川誠二

両先発、仲良くノックアウト!
ブルーウェーブ、西武戦今季初白星

 オリックスが松坂大輔を攻略し、西武戦の開幕からの連敗を5で止めた。4対6の五回二死二塁から5連続長短打で松坂大輔をKO。この回8安打で一挙7点を奪い逆転した。二番手で好投のマック鈴木が今季初勝利。西武は10失点の松坂大輔が誤算。
 
 遠征といえば飛行機利用が定着している自分。しかし、行き先が名古屋とあれば話しは変わってくる。なんといっても関東圏から名古屋方面への航空機路線は成田からしか発着していないので、実質無いのと一緒。必然的に鉄道利用ということになる。デーゲーム13時開始の試合を見るとなると、午前中には名古屋に到着しておきたい…そうなると新幹線の利用が適当という結論に落ち着く。バスや鈍行の利用も検討したのだが…。
 当日朝5時50分。無事に目覚めることが出来た。早朝起床の遠征で怖いのは朝寝坊。最大の難関をクリアしたことになる。最寄りの新幹線停車駅である新横浜駅まで原付バイクで約20分。大型連休初日ということもあり、周辺道路は極めて空いていて気持ちよく駅まで向かう。
 名古屋といえば鈍行で行けばかなりの距離を要するが、新幹線に掛かればのぞみ号で次の停車駅。案外あっさりしたものである。この区間の移動を新幹線で行うにあたっていかに個性的なプランを計画するかを考えた。そこで時刻表を見ると、いまやすっかり東海道新幹線区間では脇役に成り下がった「ひかり」号が目に入る。のぞみ号よりも料金が割安であることからこの列車を利用することに決めた。
 乗車予定のひかり301号は新横浜駅の4番線ホームに到着した。昨年10月のダイヤ改正前まではこの4番線ホームは「こだま」ばかりが発着していたが、のぞみ大増発の影響でダイヤが過密化したのだろう。
 さすがに新横浜は空席が見込みにくい自由席よりも指定席志向が強いことから8号車より後方の場所に人が集まっている。また、のぞみ志向も強いようで、次発のひかり号の列はそれほど伸びていない。列車は定刻通りに到着。車両はお馴染み・元祖のぞみ型と呼ばれた300系。
 ところで昨年のダイヤ改正以降、名古屋〜新横浜間のひかり号は途中、ノンストップ運転する列車が無くなった。東京を出ると静岡に停車して名古屋に向かう列車が多い中、このひかり301号は新横浜の次に小田原に停車。続いて名古屋に停車する。この列車のターゲットは東京・品川・新横浜からの利用客ではなく、小田原からの乗客なのである。小田原駅で沢山の乗車待ち客がこのひかり301号を待っていたことで良くわかった。
 今回はグリーン車を奮発して利用してみる。先週の「スーパーおおぞら」のグリーン車も良いが、新幹線のグリーン車は車体幅が在来線のそれよりも広いのでゆったりしている。休日なので重役室のような重苦しい雰囲気も無く、D席を指定したので右手に広がる富士山もとても奇麗に見えた。
 新横浜停車のひかり号は名古屋までは先行し、後続の「のぞみ号」に追い抜かれることは無い。三河安城駅を通過すると車内ではあと9分で名古屋に停車することを伝える放送が流れる。肉声ではあるが恐らくはマニュアル化されているのだろう。いっそのこと自動放送化してしまえばいいのに。三河安城は停車列車よりも通過列車の方が多く、こだま号が後続列車の退避を行うことと、通過を確認し名古屋到着が近いことを案内する目安になっている。
 名古屋に到着するとすぐに中央本線の普通列車に乗り換え、ナゴヤドームの最寄り駅である大曽根駅の一駅先にある新守山駅に向かい、全国駅乗降チャレンジの数をひとつ伸ばす。新守山駅の周囲には魅力的なスポットがあるわけではないが、鉄道オタク的にはちょっと歩けば名古屋ガイドウェイバス守山市民病院駅が近い。
 新守山9時06分発の名古屋行普通列車に乗りナゴヤドームの最寄り駅である大曽根駅に向かう。最寄りといっても当駅からは1.4キロも離れているので、昨今ナゴヤドームに空席が目立つ理由のひとつとなっている。列車を降りると北口に向かうのだが、妙に長い通路がいかにも国鉄建築を感じさせる。JR東海の在来線駅は比較的このような旧国鉄色を色濃く残した駅があったりするので趣味的には意外と面白い。
 ガイドウェイバスの高架下を歩いてナゴヤドームに向かう。10時前の祝日なので極めて静か。ようやくお馴染みの矢田南デッキにたどりつき、長い長い道のりを歩く。歩けど歩けど近づかないさまは海浜幕張駅から千葉マリンスタジアムに向かう道のりに似ていてとても苦痛である。矢田南デッキの左側に広がっていた三菱電機の事業所は気づいたら見事な更地に変貌していた。マンションを建設するには広すぎる敷地。まさかここにJRセントラルタワーズも真っ青な再開発ビルでも造ろうとしているのだろうか?ナゴヤドーム自体が周辺住宅に配慮して低い屋根にしているくらいなので高層ビルは考えにくいが、このまま更地のままというわけにも行かないだろう。
 ナゴヤドームの敷地に入っても人影はまばら。入場券売り場にも誰も並んでいない。ナゴヤドームの試合をラジオで聴いていると場内アナウンスで必ず聴こえてくる今池行臨時急行バスの案内地下鉄名城線の開業を記に運行が廃止され、案内も消されていた。
 チケット売り場の近くにあるブリッジに掲げてあったドラゴンズの応援横断幕にはなぜか「中日」と書かれたものが貼付されていて上書きがされている。ここの部分に以前、何が書かれていたかは今もって謎である。恐らくここには「夢を勝ち取れ山田ドラゴンズ」と書かれていたのではなかろうかと推測する。今後監督が交代するたびに貼りかえるのは面倒なので「中日」としたのだろう。ナゴヤドームの関係者がその議論を会議室で行われているサマを想像するだけで笑いが込み上げてくる。
 滅多に来ないナゴヤドームなのでグッツ売り場でお土産を購入する。特段、ドラゴンズに興味があるわけではないので野球場グッツを適当に購入。しかし、球団グッツコーナーの奥で魅力的というか異彩を放つ名前の饅頭を発見!その名も「オレ流の蒸饅頭」!良く見ると文字の下にはオレ流監督が腕組みをしている腕だけが力強く描かれているではあ〜りませんか!一目で名古屋に行ってきたということがわかる上に、ちょっとした観光地では絶対に売っておらずナゴヤドーム限定発売っぽい商品としてこれ以上の商品はないと考え、迷わず購入した。ちなみに今日はドラゴンズ戦ではないのでオリックスグッツも売られている。
 外に出るとこの3連戦の告知広告が掲示されていた。ポスターにはオリックス・西武それぞれ2名づつの選手が写真で紹介されていて、オリックスは谷と山崎武司が、西武は松坂とカブレラが出ていた。山崎武司といえばドラゴンズOB。彼の名古屋での人気を当て込んだ起用だとしたらとても笑える。ちなみにオリックスのナゴヤ開催だが、愛知出身のイチローがMLBへポスティング移籍したあとも粘り強く続いている。2002年開催時、「この程度の観衆しか入らないようだと来年からの名古屋開催は無いな」と考えながら見ていたものだが、なにかオリックス球団とナゴヤドームで密約でもあるのではないか???
 愛知県享栄高校ご出身のライオンズ高木浩之を応援するボードを持参する少年たちを尻目にチケット購入用の列に並ぶ。普段の中日戦では考えられないチケットの企画が満載。枚数がセットされた入場券はナゴヤドームのドラゴンズ戦でもあるが、サインボールが付いてくるとは…それもひとつではなく座席の数だけ(笑)。内野自由席の大人と子供の価格差も特筆モノではあるが、何より驚いたのはチケットの券面に書かれた問合せ先。
 ナゴヤドームはわざわざオリックスブルーウェーブ主催試合のために「オリックス係」なる担当者を置いている気合いの入れよう。入場時のチケット確認の際、通常なら右端をちぎられるのが流儀だが、ナゴヤドームのドラゴンズ公式戦の場合はJR各駅でお馴染みの入鋏スタンプがチケットに押され、チケットにもぎられる点線は最初から作られていない。しかし今日のオリックス戦ではお馴染みのぴあ発券チケットだったのにもぎられずにスタンプを押されるだけ。これは度肝を抜かれた。ごみも出ないので環境にはやさしい。
 入場してみるとさすがに祝日だけあって内野自由席には結構な密度でお客さんが入っている。客の出足は良いようだ…と思いきや、内野席の中段通路から上にはお客を入れない措置が採られていた。まるで以前来日してテレビ出演をすっぽかした挙句に今年東京ドーム公演の際にお客の入りがサッパリで2階席を閉鎖させたt.A.T.u.のライブのようだった。余談だが、この時t.A.T.u.のコンサートは撮影禁止のお触れが無く写真撮り放題だったらしい。
 ナゴヤドームといえばフードコート・大幸横丁が併設されている。プロ野球が常設で行われている12の野球場でこれほどまでの規模での給食スペースがあるのはここナゴヤドームぐらいだろう。
 前述のとおり、今日はオリックス主催なので場内放送の担当もオリックスのウグイス野郎が行う。
 オリックスといえば1番打者は去年まで福岡ダイエーに居てフリーエージェント宣言によってオリックスへ移籍した村松有人。パ・リーグチームからパ・リーグのチームへのFA移籍は余り記憶に無く、よほど福岡ダイエーホークスで冷遇を受けていたのだろうと想像したが、オリックスが村松に提示したのは4年で4億という福岡ダイエーホークスでは考えられない破格の値段を出されたら、いくらホークスに愛着があっても背に腹は代えられないのが人間の心理ではないか。
 そういえば地下鉄三宮駅の改札口前に掲げてあるヤフーBBスタジアムの広告看板に谷と村松が出ている。入団直後から文字通りオリックスの看板選手になった。
Seibu Lions
赤田
小関
フェルナンデス
和田
後藤敬
マクレ|ン
中島
細川
高木浩
松坂
守備
8
9
DH
7
3
5
6
2
4
P
8
4
DH
9
3
5
6
2
7
Bw
村松
大島
ブラウン
オ|ティズ
塩谷
後藤
日高
平野
ム|ア
Orix Bluewave
 

 



 
 
 

 試合が終わり、時間をつぶした後に名古屋駅へ。みやげ物を買ってホームに上がるとちょうど乗車予定のこだま480号が入線してきたところだった。3分程度ですぐに東京に向けて出発。ひかり号で約2時間弱の道のりを2時間半かけて走行するこだま号だが、寝てしまえばあっという間に着く…と思いきや、指定された場所が通路側のD席であったが為に窓側の人が出入りする度に起こされる始末。
 列車はさっそく三河安城、豊橋と立て続けに後続ののぞみ号に抜かれ、その後少なくとも新富士、三島、小田原でも1本づつ抜かれている。いかに核的停車型のこだま号が邪魔者なのかが良くわかる帰宅便であった。
 

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