(完成)
2003年10月23日木曜日 第54回プロ野球日本選手権シリーズ
阪神Tigers−福岡ダイエーHawks4回戦
18:15
有料入場者数;47,746人 観戦場所;レフト外野ビジター応援指定席私設応援団ゾーン
ホークス
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0
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1
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0
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0
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0
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0
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0
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3
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1
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0
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5
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一
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二
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三
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四
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五
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六
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七
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八
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九
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十
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計
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タイガース
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3
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0
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0
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0
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0
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1
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0
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1
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0
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1
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6
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勝利投手
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ジェフ・ウィリアムス 1勝 |
敗戦投手
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新垣渚 1敗 |
審判員・記録員 |
本塁打 |
球審
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橘高淳主任(関西・セ) |
松中信彦1号打点1・投手:井川=二回 |
一塁
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中村稔主任(関東・パ) |
金本知憲2号打点1・投手:渡辺=六回 |
二塁
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谷博副部長(関西・セ) |
金本知憲3号打点1・投手:新垣=十回 |
三塁
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東利夫主任(関西・パ) |
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三塁
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山本隆造主任(関東・パ) |
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三塁
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渡田均主任(関東・セ) |
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公式記録員
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村林弘之(パ)・嵯峨美樹(セ) |
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金本おおあたりぃ〜!
新垣くん、クイック投法を覚えないとセットアップは辛いかも
阪神が十回、シリーズ史上初の同一球団による2試合連続のサヨナラ勝ちを果たし勝敗を五分に持ち込んだ。5対5で迎えたこの回、一死無走者から金本知憲が、この日2本目の本塁打を右翼席に一直線に運んだ。
その後井川慶が捕まり3点のリードもひっくり返されたが八回の粘りが勝機を引き寄せた。四球出塁の金本知憲が二盗。一死二塁の場面でジョージ・アリアスが左前に同点適時打。九回一死一、三塁のピンチをしのいで勝ち投手となったジェフ・ウィリアムスの好投も、大きな勝因の一つとなった。
福岡ダイエーは七回の3得点で追いつき、八回には勝ち越す集中攻撃を披露した。だが、八回から投入した新垣渚が踏ん張れず2連勝の後の2連敗。故障上がりで実戦不足の新人右腕には、荷が重い救援登板だった。 |
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深夜4時、この時間のテレビを適当にチャンネルを回しながら見て回る。深夜にもなると放送される番組も限られてくる。お馴染み・ジャパネットたかたのテレビショッピングを見ていてもあまり面白くない。更にチャンネルをカチャカチャと回す。見覚えのあるアニメーションが目に留まる。良く見ると水島氏のガンバレドカベンではないか!「高校生の割りに妙にふけている岩鬼はなんで口から植物が生えているのだろう」という素朴な疑問を抱きながらホームページの更新作業に勤しむ。珍しく自分の観戦記を一夜にして書き上げると窓の外は明るい。テレビでは関西地区の朝の顔・「おはよう朝日です」が放送されている。関東では「やじうまワイド」、福岡では「アサデス」が放送されてるこの時間、関西地区ではこの「おはよう朝日です」が放送されている。関西ローカルなのでタイガースカラー一色状態。昨日のサヨナラ勝ちの詳報をタイガース寄りの報道で伝えている。 |
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昨晩、ホテルの客室係りに頼んでおいたデイリースポーツが部屋の出口に刺さっていた。モノは頼んでみるもんで昨晩ダメ元で「明日の朝は朝日新聞ではなくデイリースポーツをお願いできますか?無ければ報知以外のスポーツ紙をお願いします」と頼んでみたのだが、本当に届いていたのには笑った。恐らく普段はスポーツ新聞は日刊スポーツのようなお堅い新聞と決まっているのだろうが、時期が時期だけに特別な計らいなのだろう。ちなみにホテル日航福岡は普通に西日本スポーツを持ってきてくれます。
新聞を読みながら今日の予定を考える。「これから眠りに就いて昨日のように10時半頃に朝食に出るのも悪くは無いが、また起きるのも面倒だ。それならこれから食べに行ってしまえばよい!」と考えた。時刻は8時半を過ぎている。朝食バイキングは6時半からオープンしているので食べに行くことに。ホテル日航大阪の2階にあるレストラン・セリーナは結構混雑居ていた。届けられたデイリースポーツを読みながらの朝食。寝る前であることはお構い無しにスクランブルエッグとソーセージを食べまくった。ついでに味噌汁、コッペパンも頬張る。今日も例によってできるだけお金を使いたくない。この後寝てからも満腹感を損なわないくらいにたらふく食べ終わりエレベーターで18階の自室に戻る。部屋の扉の外には「起こさないでください」の札を掲げすぐに布団をかぶって寝る。
起きると14時半。出かけるにはちょうど良い時間になったので洗面をして強制的に目を覚まさせる。すぐに身支度を行いハウスキーピングを依頼して出掛ける。今日は昨日のように奇をてらったルートではなく極めて普通の行き方で甲子園に向かう。御堂筋線で梅田に向かい阪神電車に乗り換える。通常平日は17時を過ぎないと甲子園駅には特急・直通特急は停車しないのだが、日本シリーズ期間中はそれよりも早い時間でも臨時停車させている。 |
タイガース仕様の山陽車
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満員の阪神電車から吐き出された乗客の向かう先はほんのごく一部を除いて甲子園球場へ。しかし飲み物などを調達させたいと考えた。こういうときに球場に隣接しているスーパーマーケットは便利。このスーパーマーケットこそホークスの親会社・ダイエーである。
ダイエー甲子園店は「ダイエーホークス めざせ日本一!」と書かれた派手な飾り装飾が施されている。昨日の試合を見る限りこの球場に来ているホークスファンの数は入場者数の1割にも満たないというのにこの挑戦的な演出はいったい何を目的としているのだ(笑)。どう考えてもこの看板はタイガースファンに対してケンカを売っているとしか思えない。この鳥居をくぐるとその奥の回転扉の前にはなんとガードマンが複数人数立ち番をしている。興奮したタイガースファンの入店を全力で阻止しようという気構えを感じる。 |
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店内に入ると一見してタイガースファンと判る人間でごった返している。しかし店内では大量のホークスグッツが売られたコーナーが特設されている。物珍しそうにホークスグッツを物色しているタイガースファン。昨日もそうだったが実は甲子園球場で売られているホークスグッツといえばリーグ優勝記念のマフラータオルと白星風船程度。よってホークスグッツの品揃えは球場よりも甲子園ダイエーの方が良いのだ。
そこらあちこちに掲げられている「がんばれダイエーホークス」の看板。梅田やなんばなどの街中にはタイガースを賛美する看板が氾濫していたのでこの「がんばれダイエー攻撃」はかなりの違和感を感じる。ここは兵庫県であって兵庫県ではないのではないかと錯覚に陥る(笑)。しかしダイエーという会社の本社は福岡でもなければ東京でもなく実は兵庫県にあるということは案外知られていない。会社案内によると本社所在地は神戸市中央区港島中町四丁目1番1号だとのこと。そんなことを考えながらお茶を買って球場内に向かう。ちょうど夕暮れ時の甲子園。スタンド後方の山並みに沈む夕焼けがとても美しい。 |
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ところで日本シリーズにも公式戦同様スポンサーがついている。試合で活躍する選手に贈られる商品や商品は当然このスポンサーから提供されるものなのだが、さすがに日本シリーズ。在京テレビ各局はもちろん、ラジオ局としてニッポン放送と文化放送からも10万円づつが提供されている。しかし本当は文化放送は出資を拒否したかったんじゃないかなぁ〜(笑)。
さらに不可解なスポンサー・JAしらかわ。福島県の中でも郡山・福島・いわき・会津若松といったメジャー所を抑えて白河の農協がなぜコミッショナー事務局や美津濃・ベースボールマガジン社・平和堂貿易に並んで殊勲選手賞のスポンサーなのかが良くわからない。まぁ手を上げれば日本野球機構側からしてみれば喜んでスポンサーとして起用するんでしょうけど、逆に手を上げたJAしらかわはいったいなんでシリーズのスポンサーになんかなろうとしたんだろう。 |
そんなことを考えていながらも時間は刻々と進んでいく。場内では今日の先発投手が大方の予想通りナイトと井川と発表される。そしてベンチ入り選手の発表を経てスタメンが発表される。
Fukuoka Daiei
Hawks
H
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村松
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川崎
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井口
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松中
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城島
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バルデス
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柴原
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鳥越
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ナイト
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守備
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8
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5
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4
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3
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2
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7
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9
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6
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1
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4
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8
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7
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9
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3
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5
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2
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6
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1
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T
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今岡
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赤星
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金本
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桧山
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アリアス
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片岡
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矢野
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藤本
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井川
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Hanshin Tigers
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ホークスは柴原と村松を入れ替えてきた。対するホークスは八木を外して桧山を四番に、空いた6番にはリフォームはしたけどヒノキ風呂は入れていない片岡を入れた。
盛り上がる試合前のライトスタンド。いや、ライトスタンドというよりはレフトの一角以外の球場全体が盛り上がっている。そのレフトの一角というのがここ・ホークスファンの集まる場所なのだが。
その盛り上がるスタンドを見ていると、、、ライトスタンドのセンター寄り上段にランディ・バース氏の写真があるのに気付く。 |
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18時15分。さすがに第4戦。セレモニーの類は行われず、国歌斉唱も花束贈呈も無ければ始球式も無く静かに試合が始まる。初回、村松有人はいきなり井川慶の初球を叩いてセンター赤星へのフライに倒れる。2番の川崎宗則は4球目を空振り三振、3番井口資仁は3球目をレフトフライに倒れてあっさりと初回の攻撃を終える。時間にして3分強。試合開始と同時にお湯を注いだ日清カップヌードルならちょうど食べごろになっている時間。見事に井川はホークスを8球で退ける。
その裏のブランドン・ナイトの立ち上がり。村松同様、今岡誠も初球を打ち上げてライト柴原へのフライに倒れる。しかしここからが井川と違う。2番・赤星憲広に苦しむブランドン・ナイトの姿があった。いきなり2球連続でボールを投じると1球ストライクを挟んでファールを打たせて形の上で追い込んだ。しかしここからボールとファールで粘らる。そして9球目が高めに外れ見逃され歩かせてしまう。敵に回すととても煩わしい赤星。当然気になるナイトは金本に対しコントロールが定まらない。低目を突くのは良くわかるのだが。そして3球目に勝負を掛けて赤星が走る。タイミングはアウト。しかし塁審・谷の判定はセーフ。ホテルに戻ってすぽると!で確認すると明らかにアウトなのだが判定はセーフ。当然王貞治が抗議に出てくるが覆るわけも無く3分でベンチに戻る。金本はというとストレートの四球で歩いてしまい結局1.2塁にしてしまう。 |
2塁塁審に詰め寄る王監督
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さらに四番の桧山にもストライクが入らない。さぁ困ったぞ。2球目を空振りに取るが3球目・4球目もボール。やはり低目を丁寧に突いてはいるのだが如何せん釣られて来ない阪神打線。そして5球目を左中間に流し打ち。打球は村松とバルデスをあざ笑うかのようにフェンス前に達する。俊足の赤星・金本は当然サードベースを蹴ってホームインしてタイガースが今日は2点を先制。桧山はセカンドに到達している。5番ジョージ・アリアスはカウント0−2から3球連続で空振りをしてくれて自滅の2アウト。しかし片岡は燃えていた…ように感じた。福岡ドームで精彩を欠いて3戦ではスタメンを外されていたが、今日は見事に応えた。ファールで粘って7球目をライト方向へ。詰まってたおかげで打球がグラウンドに落ちてから前進してくる柴原が捕球するまでに時間が掛かった。その間に桧山進次郎はサードベースを回ってホームイン。矢野は空振り三振に倒れてようやく初回のタイガースはホークスの5倍以上時間を掛けて3点をもぎ取った。苦しんだナイトにとっては37球の罰ゲームだった。
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2回表のホークスはいきなり松中信彦が初球をバックスクリーンに1号本塁打を叩き込む。とりあえず1点返済。これで井川慶が動揺したのか、城島健司へはカウントが0−3に。ストライクとファールでカウントは揃えるが6球目をサード片岡へ良い当たりを飛ばす。結果はライナーとなり凡退になる。バルデス・三振の後の柴原洋も2球目をレフトライナーに。初回をカップラーメンタイムで退けた井川慶に変化が見られる。裏の攻撃のタイガースも藤本〜井川慶〜今岡誠を7球で抑え込みナイトも調子に乗り始める。
3回から5回までのホークスは3イニング連続で三者凡退。対するタイガースも矢野が4回にショートへの内野安打で出塁する以外は目立った動きを見せず、試合が固まりつつあった。 |
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しかし試合は固まってはいなかった。小雨が落ち始めた6回表、鳥越裕介がカウント1-1からの3球目をセンターへヒットしまずは出塁。ここで王監督が登場。好投のブランドン・ナイトに代えて代打を送ろうというのだ。誰が出てくるのかと見ていたが出てきたのは大道典嘉。ちょっと大道登場には早い気がしたがここでチャンスが広がるのは確かに大きい。期待を掛けてグラウンドを注視する。しかし大道はむなしく空振り三振に倒れてしまい1死。ここまでシリーズで結果を残せていない大道典嘉はパ・リーグの野球を知らないタイガースファンに「チャンスに弱い打者」のレッテルを貼られてしまいかねない昨日と今日の凡退劇。ここで三振に倒れてもホークスファンにとってはチャンスに強い頼れるバッターであることには変わりは無いのだが。しかしその大道典嘉のおん念が村松有人のバットに乗り移る。初球からファール、空振りと積極的に打って出る。しかしボールには手を出さずにカウントが2-3となる。苦しい井川が投じた6球目、村松有人はレフト前に落ちるヒットを放つ。鳥越はセカンドへ進塁。ここでレフト側ホークス応援団の持つ太鼓の叩く音色が激しくなる。この日本シリーズでは初の関西チャンステーマが。ベンチも動き出す。川崎に代えてフリオ・ズレータが出てくる。ちょっと動きすぎではないかと心配してしまうが、これが世に言う「ハイリスク・ハイリターン戦法」なのだろう。しかし見返りは無く、3球目をライトへ打ち上げてしまう。ランナーは1、2塁に釘付け。ここは小細工ができる川崎で勝負でも良かったのでは?続く井口に期待が掛かったのだが4球目をショートへ。藤本は捕球後すぐにセカンドへ送球し村松を封殺。結局チャンスはベンチが動いただけで試合が動くような騒ぎにはならなかった。 |
ナイト、好投中!
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それにしてもこの関西バージョン・チャンステーマ、超カッコイイですな。アカペラ部分もあったりして一体感もありとても好印象。歌詞も勇ましく「これぞチャンステーマ」という内容になっている。関東のチャンステーマもカッコイイし、チャンステーマの使い時も関東・関西ともに的を射ている。見たい件の方はぜひ関東・関西のホークス戦に足を運んでいただきたい。ホークスの関東応援団のサイトはこちら。関西応援団のサイトはこちらをご覧くだされ(関西鷹狂会サイト管理人さん、勝手にリンクを貼ってゴメンナサイ。来年またご挨拶に行きます!関東応援団のサイトは実は私が管理してるので・笑)。
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無得点に終わったホークスを尻目にその裏のタイガース。ナイトに代打を送った影響でこの回から渡辺正和がマウンドに上がっているがいきなり金本知憲にカウント2−2と追い込んでいながらもセンターバックスクリーンへ2号ホームランを打たれる。チャンスを逃した代償はとても大きいホームランとなって跳ね返ってしまった。得点は4対1になりホークスは3点のビハインドを背負うことに。渡辺正和は桧山をセカンドゴロに仕留めるとお役御免。ここで投手を佐藤誠にスイッチさせて試合を捨てていないことを内外にアピール。しかしアピールするなら他に投手はいないのか。その佐藤誠はというと初球をアリアスにぶつけてしまう。これで逆に落ち着いたのか、誠は片岡篤史をファーストファールフライに、矢野輝弘を3球三振に仕留め金本のホームランを振り払った。といっても1点入ったことは覆らない。 |
本塁打を放ち三塁を回る金本
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話は前後するが6回裏の攻撃、ふと1塁側スタンドの最上段に目線を持っていく。かれこれ約5年前、ここで上半身だけを激しく動かして乱舞する人間がいたことをどれだけの人間が覚えているのか。懐かしくなって桧山進次郎の打席中、応援歌にあわせて覚えている振り付けをしてみると、なんと同じ動きをする人間が1塁スタンド最上段にいるではないか!良く見るとその動きをする人間こそ私が数年前に旭川スタルヒン球場の3塁側スタンドで意味不明な舞を踊っていた御仁だった!この人こそフジテレビの珍プレー特番に招待されて島田紳介に「球場での振り付けで六甲颪を歌って踊ってくれ」いって恥ずかしげも無く踊って見せた挙句、本番ではそのシーンは見事にカットされた加藤剛氏(実名・笑)である。しばらく球場内での舞いを自粛していたと聞いていたのだがまさか日本シリーズで復活しているとは思わなかった。相変わらず激しく見える乱舞だが、実際に近づいて見てみると激しく動いているのは腕だけであって見た目の運動量ほど身体に良いというわけではない。それが証拠に彼は相変わらず太っている(笑)。 |
7回表攻撃前
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7回表のホークスの攻撃、マウンド上には井川がまだ居た。この井川、先頭の松中信彦に7球粘られた挙句の8球目をレフトへ流して2塁打に。さぁ3点差に向けて出塁。続く城島健司も2塁打で続き松中信彦がホームイン!点差は2に。この回の応援センターリードは鷹羽さん。彼らがリードを執っているときのチャンスは九州流儀。聞き覚えのある藤本博史のテーマが流れ出す。だからかどうかはわからないがバルデスは空振り三振に倒れてしまう。しかし気を取り直して柴原洋が初球をショートへ。藤本が好捕するもののサードへの送球が悪くセーフに。記録は内野安打。1死1.3塁になり鳥越は5球目をセンター方向へ打ち上げる。これが詰まって赤星の前にポトリと落ちるタイムリーヒットになる。これぞ意地のヒット!3対4になり1点差!そしてここで守備に就いていた本間に打席が回る。6回表にズレータ・大道と代打の大安売りをしちゃったので本間以上の選手が居ないのだ。その本間は見逃し三振に倒れてしまう。 |
2死1.2塁から村松有人が打席に入る。次打者が投手の渡辺正和な上に代打がそれほど余っていないことから過度の期待をしてしまうが、井川が投じた2球目がインコースに。投球はなぜかファールゾーンを転々。判定は死球。村松も痛いが井川も痛いはずの満塁。これで星野仙一監督の堪忍袋が広がってしまう。井川を諦めて安藤優也がマウンドに上がる。安藤はシリーズ第1戦でフリオ・ズレータにサヨナラタイムリーを打たれているのでホークスに良い印象を持っていないはず。抑えられる気はしなかった。
安藤が告げられる前にホークスは渡辺に代えて代打・出口雄大を送り込む。安藤はいきなりカウントを0−3にし早くも同点を確信。ストライクと空振りの後の6球目がなんと低めに外れ、、、キタキタキタキタ!同点に追いつく。下位打線で同点をもぎ取った。いよいよ井口に期待が掛かるが遠慮深い井口は3球三振に倒れ同点止まり。 |
出口で勝負!!!
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押出し四球で同点になる瞬間
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7回裏攻撃前
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7回裏、タイガースファンが風船を散らかした後の攻撃、ホークスは岡本克道が登場。先頭の昨日嫁さんにええ格好を見せた藤本がレフトポール際へ際どいファールを打ち上げる。当然スタンドに入るものだと思っていたが、これをバルデスがフェンス前で果敢に捕球。これは珍しいものを見た(笑)。9番には守備に就いていた沖腹がそのまま打席に入る。カウントが0−2になるもののショートゴロに打ち取り2死に。今岡にはレフト前ヒットを打たれるがそこは冷静な岡本。昨日から好投を続けているだけのことはある。出したら面倒な赤星を空振り三振に切ってとり事なきを得る。
それにしても昨日はとても暑かった甲子園。しかし今日は文字通りの六甲颪が吹きつけて我々の体温を奪う。それほどに今日の気温は低かった。応援団D氏曰く「手が冷たくて鍋掴み(ミッキーマウス)軍団の手袋が欲しいよ」といって周囲を笑わせていた(わかる人だけ笑ってください)。 |
岡本対赤星
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8回表のホークス。幸先良く松中信彦が安藤から四球を勝ち取り出塁。さらに城島健司の打球が二遊間を襲う。抜ける!と思った瞬間、藤本敦士が横っ飛びし捕球、そのままセカンド今岡誠へトスし1死、さらにファーストへ転送し併殺が完成。これには周囲のホークスファンも思わず感心してしまった。が、安心するのはまだ早い。不安定な安藤は先ほどの好プレーに気を良くしたペドロ・バルデスが安打で出塁。続く柴原洋はフルカウントから四球で続くき2死ながら1.2塁と再びチャンスを作る。さらに先ほど意地のタイムリーヒットを放った殊勲の鳥越に打席が回る。普段は鳥越には余り期待は掛けないが今日は違う。ここまで3打数2安打と中身はともかく松中信彦ともどもチームの誰よりも当たっているのだ。その鳥越裕介がまたもややってくれる。カウント2−1と追い込まれながらも果敢にファーストベースへヘッドスライディング。判定はセーフとなり2死走者なしから満塁に持っていった。しかし困ったことにホークスには代打になりうる人材を使い果たしつつある。打席には本間満、ど〜する?ホークス!結論はそのまま本間が打席に入る。道産子魂を見せて欲しいが本来なら代打を出したいんだろうなぁ。ホークスの層が少々薄いのは本間の責任ではないと慰めてみる。それに6回の代打攻勢は上層部が決めたこと。さぁ本間よ、開き直れ!強振した本間の打球はマウンドへ一直線。安藤の腕に当たってマウンド付近を転々。その間に打者走者の本間はファーストベースを駆け抜けていた。満塁の走者もそれぞれ進塁しバルデスがホームイン!これでいよいよホークスがリードを奪う。安藤はこれで降板し吉野誠が連投。 |
悩み苦しむタイガース
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吉野といえば昨日の勝利投手で3イニングスも放っている。よっていくら連投が効く中継ぎ専門投手とはいえ3イニングスも放れば球威が落ちるんじゃないかなぁと。が、球威うんぬん以前にホークスの層が薄いことの方が問題であった。ここまで好投を演じていた岡本克道に代えての代打は…???吉野誠の投球練習中、登録メンバーを漁って見ると浮かび上がる野手の名前・・・田口と稲嶺と大越・さらに瑞樹しか居ない。実は岡本をそのまま打席に入れるくらいなら日本シリーズ1999で安打を放っている星野順治の起用も議論されたのだが、王貞治の下した決断は稲嶺の代打起用だった。「いなみね?誰だ?」という声がホークスファンからも洩れる。かくいう私も正直存じ上げない。しかしホークスの応援団は用意周到だった。どの野手が打席に入ってもとりあえずは選手別応援歌が用意されている。しかし知名度が災いして誰もその応援歌を記憶している人間が居ない。歩く応援歌データベースと呼ばれていたYくんやR子さんすらわからない稲嶺の応援歌。いったいどうなることかと思っていたが、心配するほど稲嶺は粘ることなく3球目をセカンドゴロに打ち取られ、この勝負は吉野誠の勝ちに終わる。稲嶺誉よ、悔しかったら来年は名前で勝負できるような選手になってみろ!!!まぁ何はともあれホークスが1点勝ち越しに成功。このまま終わってくれることを祈りつつ、続いて出てくる新垣渚に全てを賭ける。
プロ入り後、甲子園では初登板になる新垣渚。いきなりの相手は金本知憲。そりゃキツイヨと思ったのは私だけではなく新垣はいきなりカウントを0−3としてしまい、1球ストライクを挟むが結局は歩かせてしまう。桧山は見逃し三振に切るがアリアスの初球に金本がスチール敢行。さらにアリアスが4球目の難しい外角の球をセンターへ。桧山は当然サードを蹴ってホームに帰ってくる。あららまたもや同点に。新垣、あっさりとリリーフ失敗。続く打順には吉野が入っていたが代打が。誰が出てくるのか考えた。ホークスと違って代打を無駄遣いしていないタイガースには広澤・八木・浜中・久慈といったそうそうたるメンバーがベンチに残っているが、出てきたのは平下晃司。この平下はショートフライに打ち取られ2死。そして矢野はセカンドゴロに倒れようやく3アウトにこぎつける。新垣は1失点だがこの失点は本当に痛い。
9回表、タイガースの投手はリガンがマウンドに上がっていた。ホークスの先頭打者・出口雄大は7球目をレフト前に落としていき無死のランナーを出す。続く井口資仁は初球、強振し三塁側へファールを放つがこれはまったくのポーズ。続く2球目をいきなりバントの構え。バント慣れしていない井口の打球は強くネット裏に飛んでいく。「う〜む、こりゃ難儀だなぁ」と思った瞬間、ストライクカウントの黄色いランプがひとつ消えて1ストライクに逆戻り。どうやらリガンがボークを演じてくれたようで出口はセカンドベースに到達。こうなると井口はしつこくバント攻め。リガンが捕球しファーストへ転送。バントは成功し伝口はサードへ進む。さぁチャンス!ここで虎さんチームは投手をジェフ・ウィリアムスにスイッチ。松中信彦をまずはストレートの四球で歩かせる。勝負はここから。1死1.3塁から5番城島健司に対しウイリアムスは強気にせめて3球目をサードゴロに打ち取る。サードの沖腹が捕球しバックホーム。出口がアウトになり2死。さらにあまり当たっていないバルデスに対して空振り2つで簡単に追い込む。3球目がボールになったところで時計の針が10時を指す。ここれラッパ・太鼓を使った声援ができなくなる。まさかこれで意気消沈したわけは無いだろうがバルデスは4球目のボールを見逃しファールを打たせた6球目を空振り三振にきって取る。シリーズ初登板のウィリアムスは左横投げの変則投法。これを予備知識だけで打ち崩すのは難しい。 |
10時を回ります!
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ホークスが下位打線から始まったのに対してタイガースは上位・赤星からの打順。しかし赤星は初球を打ち上げてレフトフライで1死。
しかし金本。新垣は初球・2球目をボールに。ここまでは前の打席の攻めと一緒。しかしここからが違う新垣渚。3球目はストライク。4球目を1塁側にファールとしカウントが2−2の平行になる。そして運命の5球目。新垣としてはここまで斬れていたスライダーで勝負に出たが、逆に金本はその勝負球を待っていた。外角の難しいコースを救い上げると往年のジャイアンツ・呂明賜の来日初本塁打を始めてテレビで見たときの印象と一緒。「すんげぇ〜低い弾道ぉ〜」。ものすごい打球を目の当たりにした我々は勝敗が決するサヨナラホームランになったことを暫し忘れて金本の弾道の素晴らしさに酔った。ガックリきたのは星野監督のインタビューが始まってからだった。 |
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結局この試合、8回に金本が盗塁を決めたところで勝敗は決していたように感じた。何かが足りないとすればこのとき新垣がクイック投法で投げていれば盗塁は防げたかもしれない。更にいうと初回の赤星の盗塁が正しくジャッジされていなければ…。なんだかとても疲れた試合だった。 |
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試合が終わりトボトボと甲子園駅へ。
各方面から携帯電話へメールが入る。そのほとんどが「タイガース勝ったね!良かったね」というものだが、ホークス寄りで試合を見ていた自分にとっては複雑な心境でホテルに帰る自分だった。 |
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