(最終更新日=2003年5月8日)

2003年5月6日火曜日 パシフィック野球連盟プロ野球パシフィック野球連盟選手権試合

株式会社日本ハム球団日本ハムFighters西武Lions株式会社西武ライオンズ8回戦
 18:03〜 観衆;12,000人 観戦場所;ライト外野自由席
ライオンズ
1
2
1
0
0
0
0
2
1
7
 
ファイターズ
0
1
0
1
0
0
0
0
0
2
 
勝利投手
張誌家 2勝1敗
敗戦投手
カルロス・ミラバル 4勝2敗

審判員・記録員
本塁打
球審
金子
スコット・マクレーン8号打点2・投手:ミラバル=二回
一塁
秋村謙宏
金子誠1号打点1・投手:張=四回
二塁
川口亘太
 
三塁
山本
 
公式記録員
藤原宏之
 

あららファイターズ、札幌でまた勝てず。
ライオンズ、8連勝。

 西武は余裕の試合運びで、1分けを挟んで8連勝。一回に高木大成の適時打、二回にスコット・マクレーンの8号2ランなどで序盤に4点。八回には代打・後藤武の二塁打で2点を加えた。6回を6安打2失点の張誌家は2勝目。
 日本ハムは頼りのミラバルが速球、変化球ともいまひとつ。打線も拙攻を繰り返し、借金は今季最多の「4」。

 携帯電話のアラームどおり、9時に目が覚める。寝起きが悪いのは今に始まった話ではないがとんでもなく眠い。冷水で洗顔をし強制的に目を覚まさせる。昼間のテレビは面白くないのでFMラジオのスイッチを入れると聞き覚えのある声。そう、昨日札幌ドーム内で場内MCを担当していたグッチ氏の番組だった。
 とりあえず強制チェックアウト時間ぎりぎりの10時までまったりと出かける仕度をする。
 

 ホテルを出ても試合はナイターだし、、、朝10時なので野球場に行くにはかなり早い時間。まずは原チャリの税金を払いに時計台の横を通り銀行へ向かう。といっても札幌市内の銀行がどこでも横浜市の税金収納受け付けをしてくれるわけではない。納付証の裏面に取り扱い金融機関を見ると全国の窓口で扱ってくれる銀行の一覧があり、いわゆる都市銀行と呼ばれる銀行で扱ってくれるとのこと。さっそく大通公園の脇にある東京三菱銀行札幌支店に向かう。ATMで現金を引き出し窓口へ。受付嬢曰く「横浜の税金をここで払う方は珍しいですよ」と苦笑い。
 この東京三菱銀行と同じ建物に道新プレイガイドがある。18日に開催されるホークス戦のチケットを買おうと窓口に声を掛ける。ローソンチケットでは不可能な座席番号指定をして買うことが出来るのがプレイガイドの利点。しかしここ、道新プレイガイドではSS指定席でも取り扱い座席が極めてS指定寄りと面白い座席ではない。窓口嬢も「真ん中に近い席は札幌ドームさんへ行かれると宜しいかと」と仰ってくれたのでその通りにすることとした。
 時刻は10時半過ぎ。そうかといってこのまま札幌ドームへ向かってもヒマヒマパラダイスなので札幌近郊函館本線の駅を巡ることにした。大通から札幌駅までなら歩いてもたいした距離じゃないので地下鉄を使うのも馬鹿らしく徒歩移動。とぼとぼと歩いているうちに東急百貨店前のバス停に停車しているバスに目が行く。至って一般的な旧塗装の札幌市営バス…と思いきや、よく見ると黄緑色で「ジェイ・アール北海道バス」と書いてあるじゃあ〜りませんか!気付いたら市営バスの琴似営業所管内の路線を移管されたようだ。しかし旧塗装のまま運行されているサマは元来市営バスの路線であったので特に問題は無いのだが、そこにJHBのマークや社名が書かれている姿には激しく違和感を覚える。琴似営業所ということは円山球場へ行く際によく利用していたあのバスが現在も利用できたとした場合、あのバスもJRバスになるってことですよね??
 そんな違和感を感じつつ、その前に新千歳空港に向かうJAL540便接続ぎりぎりの快速エアポートの指定券を確保する。この列車、時間帯から空港利用者よりも帰宅客の利用が多い可能性が高く、確実に座席を確保するために指定席券の確保が良いのではと考えた。その足で改札の中にある自動チェックイン機で最終便の搭乗手続きも終えておく。これで多少の遅れも安心(?)。
 とりあえず自分のホームページで作りこみが甘い函館本線の駅3つをチョイス。10番線に停車中の江別行きに乗車した。電車はロングシートの731系。最初に降りる駅は厚別。同名の区がある厚別だが、区の中心地は千歳線の新札幌のようで、厚別を名乗るものの周囲は住宅に囲まれていてとてもまったりしている。続いて次駅の森林公園駅でも降りてみる。この駅の周囲は空き地が多く、開発途上といったところかそれとも開発したものの買い手がいないのか?といった感じ。
 さらに次駅の大麻でも降りてみる。中央改札口周辺は学校が多いのか?若い乗客が多い気がする。歩道橋を横断し南口に回る。往来の激しい国道の前にある南口は簡易自動改札が設備された臨時的要素の高い出口である。その南口に併設されているのが「Curry Train じかん」。旧型客車を改造してお店にしている店内。
 数あるメニューのなかからオムレツカレーに男爵コロッケをトッピング。カレーとあるが良くあるライスカレーのようなルーがご飯にかけてあるのではなく、キーマカレーの上に玉子焼きがかぶせてあるというもの。これ、結構おいしいっす。
 食べながら駅で買った日刊スポーツを読む。1面は道内では珍しいタイガース。トレイ・ムーアが完封勝利を挙げて両リーグ20勝1番乗りを伝えているが、2面の記録関係の記事を見て思わず噴出してしまった。
「BW谷18戦連続H中」
 どうりで最近腰痛気味だと言ってるわけだ(笑)。記事の担当者も同じことを考えて記事にしたんだろうな。私なんぞ食わず嫌いなのであんな柔道家を食べるのはちょっと勇気が要る(笑)。
 その記事から目線を左にそらすと札幌で負け知らずの松坂大輔が大きく取り上げられている。見ると私が見に行った円山球場でのホークス戦から5連勝のようだ。確か稚内にご親戚が要るとのことで松坂にとって北海道はとても縁深い場所なのかもしれない。
 おいしく食事をした後に今度は逆方向の札幌方面行き電車で札幌中心部に戻る。次発の札幌方面は12時37分の区間快速。大麻を出ると次の停車駅は札幌。途中、千歳線との分岐駅である白石をも通過する豪快な走りっぷり。江別市と札幌中心部を短絡するのが区間快速の役割のようだ。
 札幌に降り立つと開業準備に余念が無いJRタワー内のホテル日航札幌を見に行く。パンフレットでも…と考えたがどこにもそのようなものがおいてない。宿泊予約などは電話で応対するようで、なんとも余裕満々といったところ。まぁそういう私も8月の同ホテルでの宿泊予約は電話で行ったのではあるが。駅の東側に申し訳程度にホテルの名前が出ている看板が出ていて奥に進むと控えめな扉がある…ホテルを派手にアピールしていないのは開業前だからだろうが、ニッコーホテルズは往々にしてそういう点がある。大阪にしても東京にしても「ホテルはここですよ」といったインフォメーションはかなり控えめ。ブランドイメージを大切にしている点は評価するが。。。ちなみにホテル車寄せのすぐ脇にあるステラプレイスイーストへのエスカレータを下ると地下1階にセブンイレブンがある。24時間営業かどうかは未確認だが宿泊時の緊急食料の調達には便利。
 その足で東豊線乗り場に向かう。ホテル日航札幌がJR札幌駅の東側にあるので東豊線へのアクセスは抜群。すぐにホームへたどり着くことが出来た。電車もすぐにやってきた。13時半を過ぎようかという時間帯で「これから札幌ドームへ野球を見にこう!」といった人は平日ということもありまったく見られない。東京ドームでのファイターズ戦とこの辺は雰囲気が似ている。
 福住駅から札幌ドームへ向かう歩道上にも野球観戦予定者と一見してわかる人はほとんどいない。
 当日券の発売は14時半から。時刻は13時55分ころ。とりあえず南側のライト側入場ゲートへ向かう。列の先頭には見覚えのある旗に包まったファイターズの私設応援団諸氏がペットボトルを抱えてお昼寝中。すぐ後ろには暇そうなおじさん・おばさんたち。なぜか口々に「いやぁねぇ〜巨人戦以外はめったに見ないから」といったいかにも北海道的な発言をしている。こういう人たちを如何にしてファイターズヘ取り込めるかが今後の課題。
 今日は試合途中での退場を決めていたので値が張る内野席ではなく外野自由席のチケットをファンクラブの割引で購入する。
 開門までの待機場所はライト側が南側駐車場のすぐ脇。レフト側は国道36号沿いのグッズや前売り券を売るドームのメインストリート側で列を作ることになる。今日もファンサービス旺盛なファイターズは選手のサイン会を開催するらしい。いったい誰がサインをしてくれるのかと思案してながら16時15分の開門時刻を待つ。
 開門されると先着100名程度に整理券が配られる。サイン会場は南ゾーンのコンコース。もともとサッカー観戦を想定し一気に客が出てきても耐えられる広いスペースを確保してある。注目のサイン会の主役はというと…昨日の先発投手・正田樹と一軍にいないはずの佐々木。後で知ったことだが佐々木は体調不良のDT・クローマーに代わり今日一軍登録されたそうだ。まさか朝一番の飛行機で慌てて鎌ヶ谷からやってきたのだろうか。来年からもこんな感じで手荷物ひとつで飛行機に飛び乗っての一軍合流が繰り返されるのかと考えるとファイターズも大変だナァ。
 ちなみに前日は岩本勉小笠原道大がサイン会に出席したらしい。個人的には芝草投手のサインが欲しかったんだけどなぁ。私は現役選手による直筆サイン色紙を小久保先生のものしか所持していないので、これで3枚目になる…あっ、阪神時代の北川博敏@現大阪近鉄のももってたっけ???今はどこに保管しているかわからなくなってしまっている(苦笑)。
 サインをもらうと策に囲まれたサイン会場を後にする。ところで整理券はいったいいつ確認〜回収するのかと考えていたところで出口で回収していた。サインをもらった後に整理券を回収するとは…サインをしてもらった後に整理券を持たないことが判明したらどうするのか?ちょっと気になった。
 開門しても平日なので座席が埋まるということも無く適当に私設応援団の下付近に場所を確保。よく見るとファイターズの私設応援団に札幌の常設支部が出来ていた。やはり本拠地が移ってくるだけのことはある。他の5球団はどうするのだろうか。ちなみに大阪近鉄には細々と札幌にも応援団があるらしい。なぜか「大道」と書かれたボードを見かけたが、よく考えたら小笠原の下の名前であることに後で気が付いた(笑)。こんなところでホークスファンが居る訳がない。
 私設応援団諸氏は手に選手別応援歌と人員募集の告知文が書かれた用紙を配っている。当然私も声を掛けられるのだが、私は横浜から来ているので対象外(笑)。ホークスの某応援団も同様のことをするのかなぁ。
 カツカレーを食しながらスタメン発表を待つ。例によって昨日同様、DJグッチー殿の進行により今日も豪快にスタメンが発表されるがもう少々Yahoo!BBスタジアムでスタジアムDJの勉強をしたほうがよさそうだ。喋りは一流だがいまいち野球馴れしていないのだ。来年から常時野球が行われるわけで、これ、まじめな話です。
 
Seibu Lions
松井
小関
高木大
カブレラ
和田
柴田
マクレ|ン
伊東
平尾
守備
6
8
DH
3
9
7
5
2
4
P
8
4
DH
7
9
3
5
2
6
石本
阿久根
小笠原
島田
坪井
田中幸
木元
高橋信
金子
ミラバル
Nipponham Fighters

 ライオンズは3番に起用された試合すべてで打点付きの活躍をしている高木大成を入れ、柴田をマクレーンの前に入れた。なぜか昨日はレフトを守っていた和田がライトでスタメンになっている。先発投手はアグネス・張(チャン)。対するファイターズは昨日やる気が無いようなスイングで見事4三振のエンジェル・エチェバリアを外し、代わりに北九州市民球場で0対2とホークスリードで迎えた土壇場9回表1死走者2,3塁の場面から逆転3ランを放ちホークスファン的には勝負強いと思われている島田一輝が起用。個人的にはあのやる気のないエチェバリアを使うくらいなら島田のほうが怖いと考えていたところでの島田4番起用。わが意を得たりの思いだ。先発投手はこれでも4勝を挙げているカルロス・ミラバル。彼が打たれてホークスがおいしい思いをした試合を何度も見ているのであまり好投は期待できないところではあるが、これでも大阪近鉄・岩隈に次ぐ4勝を挙げている投手なのでファイターズ的には期待できる投手なのだろう。

 スタメンが発表されるともはや恒例化した感があるベースランニングコーナー、今日は西浦と佐々木がホームベース上でお出迎え。佐々木投手はここでも登場とかなり人気者。
 18時3分、北広島市立双葉小学校の池端君による始球式が行われ、昨日よりも1分早く試合が始まる。

 さっそくミラバルの一人相撲が始まり戦闘の松井稼頭夫へ立ち上がりの手探り状態から6球も投げた挙句にレフト前へ安打される。松井稼頭夫が第1打席で出塁すると第2打席以降も伝染的に打ちまくるのでこの後が怖い。どうもランナーが出ると伊原監督の一挙手一投足すべてが不穏になる。例え普通にコーチャーズボックス内でボサッと突っ立っててもそれが何かのサインなのではないかと疑ってしまう(笑)。2番の小関竜也は教科書通りの初球バント。型通りキャッチャー前に打球を殺し成功させる。これで1死2塁と一応チャンス。続く高木大成へはセットポジションになり調子があまりでなさそうなカルロス・ミラバル。初球・二球目とボールをとられ苦しい。バックネット方向へ2球続けてファールを打たせどうにかカウントを2−2に揃えるが5球目をセンター前へ綺麗にはじき返されセカンドランナーの松井稼頭夫が後ろ髪をなびかせてホームイン。こちらも教科書通り。これだけ台本どおりに得点されるととても気持ちが良い。続くカブレラへもインコースを中心にボールを2球先行させる。が、カブレラが勝手に焦れてショートゴロに。6−4−3と転送されてこちらも教科書通り。併殺網を完成させる。初回さっそく1失点のミラバル。
 その裏、どういうわけか伊原監督が球審になにやら話しをしている。これといって疑問に思うようなプレーがあったわけでもないのに…。しばらくして場内アナウンスが外野手の守備位置変更を告げた。センターの小関がライトへ、ライトの和田がセンターへ人事異動される。まだ1イニングも守りに付いていないのに忙しい球団だこと。
 ファイターズは先頭の石本がファールで粘った挙句の10球目を見逃して四球で出塁。急いで帰らねばならないので粘られて時間を掛けられるのはとても困るのだが凡退されるよりはマシ。しかしこの粘りの帳尻を合わせるかのように二番の阿久根が初球バントを失敗(記録は捕邪飛)。1死となる。同じ1死でもライオンズの1死とは意味合いが違う。1死1塁から小笠原道大だが2球で追い込まれてしまう。個人的には8時にドームを出なければ東京へ帰れないので好都合ではあるがファイターズ的にはとても困るストライク先行だが、ここからボールとファールでフルカウントまで粘ってしまう。結果は空振り三振ではあるが7球粘るなら結果を残して欲しい。6球目がボールになる間に石本が2塁へ盗塁を成功させているので2死2塁となって島田を迎えるも、5球目をこちらも空振り三振に。初回の攻撃を終えて18:26分、0対1。三振をとっていく投手の場合、当然球数が多くなるのは仕方ないのではあるが初回から30分近くも掛かるとは…先が思いやられる。このまま1イニング30分ペースだと4回裏までしか見られない計算になるのだが(笑)。
 2回表のライオンズは守備位置をさっそく変えられた和田一浩が2球ボールが先行した3球目をショートへ。しかし元テレ朝で大野豊のファンだったはずの白木清かの旦那・金子誠が弾いて出塁を許し無死1塁。そうなると予測したかのような打順に今日は柴田博之が入っている。当然バントを初球で決める。先ほど阿久根が初球バントを失敗しただけに良さが際立って見える。そして第二主軸といっても良い7番サード・マクレーンが5球目をレフトへ引っ張り8号ホームラン。あららキッチリチャンスメイクしてホームランを飛ばされる悪循環。これで0対3とされてしまう。ミラバルは続く伊東勤へもフルカウントとしてしまうがなんとかファーストゴロ(3・3)に仕留める。この試合1回2死目にしてようやく2つ目のまともなアウト。さらに9番平尾は初球をセンターフライに討ち取る。やればできるではないか!!!
 その裏のファイターズ。この回の先頭は坪井。タイガース時代からのお馴染みのファンファーレが流れるライトスタンド。昨日はネット裏だったのであまり良く判らなかったが「♪PLぅ〜青学ぅ〜東芝ぁ〜坪井ぃ〜」の歌詞はまだまだ浸透していないようだ。ライオンズの先発・アグネス張は初球こそストライクになったが2球目からはなぜかボールを連発。カウント1−3からの5球目も外れて四球となる。私設応援団・札幌闘将会のリーダーが「皆さんの応援でランナーが出ました」というもんだから札幌のファイターズファンは大喜びでなおいっそう声援があがる。続く田中幸雄へもどういうことか張はストライクが取れない。初球ボールのあと、ファール〜ファールでカウントこそ追い込まれるが見逃す球はすべてボールとなりまたまたフルカウント。6球目も外れて田中幸雄も四球で出塁し無視1・2塁。「皆さんのお陰でチャンスが生まれました。このランナーは皆さんのランナーです」と応援団リーダーが言うとまたまた札幌ドームライトスタンドが沸く。チャンスに木元邦之は良く判らん行動に出る。初球を空振りしてみた後に2球目はバント失敗。なんだか良く判らない作戦だなぁ。バントならバントで押し通せばよいのにその後のボールは見逃してみたり。追い込まれたのでバントは中止になったようで4球目はネット方向へのファール。5球目は張が外してカウントが2−2となった直後の6球目を木元がセンター前に運んでランナーがそれぞれ進塁。結果的にはバントが成功する以上の成果が得られた。
 そしてすっかりレギュラー定着の高橋信が初球をライト前へヒットさせて坪井がホームイン!1点を返す。ここまで張が投じた投球のうち、この回の初球がストライクになった以外、バットに当たらない投球はすべてボール。打球がフェアゾーンへ飛べばすべて安打になる悪循環。タマラズライオンズベンチから投手コーチが出てきて野手とともにマウンド上に集合。点を取られる前のピンチだったら「出てくるな!」と言いたいだろうがこの状況なら一呼吸置きたくもなるだろう。この一呼吸が張を目覚めさせたのか。金子誠に対し初球綺麗なストライクが決まる。いったい何が話し合われたのか興味深い(笑)。無視満塁1ストライクからボール〜ファールから空振りの三振にしとめてしまう張。この後石本が5球目を見逃し三振、阿久根も4球目を空振り三振。ピンチを勝手に招いておきながら最後は3者連続三振とは…あのマウンド上での小会議でよほどのニンジンでも提示されたのかと勘繰りたくなる奪三振ショー。

 ピンチの後にチャンスがやってくるのは野球のジンクスのひとつではあるがこうも当てはまるとは…3回表のライオンズは先頭の松井稼頭夫がヒットで出塁。小関が当然のようにバントを初球で決める。しつこいようだが阿久根のバント失敗がますます際立つ(笑)。1死2塁で高木大成にはストライクが入らないミラバル。2球目のファール以外はすべてボールであっさりと四球を出してしまう。4番カブレラへはインコース中心の攻めでカブレラ自身もファールでカットするのが精一杯と言った感じではあったが、結果的にはカウント2−2からの7球目をカブレラらしくない綺麗にレフトへヒットでセカンドランナー松井稼頭夫がホームに帰りまたまた1点追加。再び3点差に戻されてしまう。が、ミラバルはここから踏ん張り和田一浩を最後は併殺にしとめてこの回を終わらせる。それにしても毎回失点はいかがなものか。

 さらにピンチの後にはチャンスがやってくる…ことを信じたいファイターズはこの回先頭の小笠原道大が四球で出塁。四番・島田がライト前ヒットで続いて無視1.2塁。チャンスとなるが今日のファイターズは遠慮深い。坪井は4球目を空振りし三振。さらに田中幸雄に至ってはサードフライでなぜかセカンドランナーの帰塁が遅れて併殺に…とほほチャンスをものにできなかった。3回までのファイターズの残塁は5。ちょっと多すぎはしないかな。

 後にラジオの解説の盛田氏が「ミラバルが踏ん張った」と言わしめる4回表。先頭の新発田が初球をセンター前ヒットし出塁。しかしスコット・マクレーンは3球目をライトへ打ち上げ1死。伊東の初球に柴田がセカンドへ盗塁を試みてなんと失敗!!!散々ホークス線で走られた印象しかない柴田が盗塁死をするとは…昨日の芝草登板といいこの盗塁死といい札幌へ来てよかったと感じさせる一瞬。その伊東はというと初球は盗塁支援のために空振り、二球目はミラバルがストライクを取り3球目は様子見のボール。そして4球目をショートゴロに倒れてこの回は初の両チーム初の3人攻撃。その裏のファイターズも私の期待にこたえるかのように先頭・木元が低めの球に手を出し空振り三振〜高橋信も追い込まれた後の4球目をサードゴロ(5−3)であっさり2死。試合内容に問題はあるものの早い展開に喜ぶ私。さらに喜ばしいことに9番金子誠が初球をレフトスタンド中断に1号ホームランを放つ。初球攻撃は大歓迎!さらにライオンズを追い上げる結果になり好都合!しかしこの後の石本は空振りの三振に倒れる。これで2対4。とりあえず2点差をキープしながら終盤を迎えたいファイターズ。

 私にとって結果的には最終回になる5回表の攻防。先頭の9番平尾は止せば良いのに7球も粘った挙句にセカンドゴロに終わる。しかし松井稼頭夫へはストライクが入らず5球目が外れて四球に。1死1塁から2番小関が今度はバントではなくヒッティング。打球はセカンドへ。小関と阿久根の競争となるが結果は小関の勝ちで1死1.2塁となる。しかし高木大成はセンターフライに倒れる。リードした場面でランナーが貯まってのカブレラはとてもいやなわけだが逃げるわけにもいかないし…と考えていたのはスタンドだけのようで、ミラバルは初球からストライクを入れない。事実上の敬遠で2死満塁とし和田を迎える。和田もチャンスには強いはずだが、この打席は初回から守備位置を変更させられた腹いせか4球目をショートゴロに。金子誠が補給しセカンドへ。カブレラが封殺されてこの回も無失点に終わる。

 5回裏のファイターズ攻撃はここまでバント失敗と空振り三振でまったくいいところのない阿久根鋼吉から始まるがあえなく5球目をライトフライに。続く小笠原道大も5球目を同じくライトフライ。あららあっさりと2死。結局この2連戦で私の前では長打を放つことなく終わった小笠原道大。札幌ドームのビジョンに映し出される大きなクジラが見たかったのだが…。
 しかし四番・島田一輝も5球目をサード方向へ。スコット・マクレーンは打球に触れたものの結果的にはショート・松井稼頭夫が抑えるのが精一杯。内野安打になる。2死1塁となり時刻が19時50分となる。次の打者で結果はどうあれ私にとっての今日最後の観戦打者となる。その打者が前阪神の坪井智哉なのも何かの縁なのか。その坪井智哉は初球を見逃しボール。2球目はストライクとなる。あまり悠長に見ているわけには行かない私は落ち着かない。坪井智哉君もそれを知ってか知らずか3球目を1塁方向へ打ち上げてしまう。ファーストのアレックス・カブレラがファールゾーンで掴んで3アウト。ここでファイターズ戦恒例のYMCAが始まる。私はここで座席を立つ。

 札幌ドームのライトスタンドを19:59に立ち、地下鉄福住駅へ一目散。といってもレフトスタンドは札幌ドームで一番地下鉄に遠い南ゲートのそばに位置しているので敷地を出るだけで難儀する。約4分でようやく北ゲートを出て外に出る。屋外に出たのでラジオで試合展開を追う。ラジオの周波数をNHKラジオ第1放送にあわせると盛田幸樹が解説をしていた。打席には田中幸雄が入っているようでアナウンサーがしきりに「この調子で行けば来シーズンは札幌で2000本安打を達成できるかも」と話していた。また解説の盛田氏がミラバルの4失点を「なんとなく凌いでいる」と評していた。普段時間に余裕があるときは何てこと無い地下鉄福住駅までの距離が今日は遠く感じる。20:06に札幌ドームの敷地を抜け、サンクス〜GASTOの横を通り過ぎ、ローソン札幌福住店の脇を通るとき、携帯電話に表示された時刻を見て驚く。時刻は20:09。あと7分しかない。早足では心もとないので駆け足に切り替える。ようやくイトーヨーカドーが近づき福住駅の地下へ降りる。3フロア下って比較的長い通路を進むと自動改札機が待っている。手持ちのウィズユーカードを自動改札機に通しホームに下りると16分発の栄町行きに乗車。何とか間に合うことが出来ほっと一息。東豊線札幌駅は進行方向でもっとも栄町方の車両がJRの乗り換えに便利なのですぐに移動。
 東豊線は南北線に比べて歴史が浅いからなのか?それとも立地が全日空ホテルよりの国道の地下にあるからなのか、どうしてもJRの駅から離れている。地下街エスパを通り抜けてJR線の東改札に出る。

 時刻は20時37分。ホームに上がると帰宅ラッシュで結構な人が電車を待っていた。乗車予定の快速エアポート200号も新札幌や北広島・恵庭へ向かう通勤帰宅客の貴重な足になっている。もちろん自由席には立ち客も。そんなこともあるかと思い今朝のうちに指定席券を購入しておいたが見事正解!指定席uシートはとても快適。。。地上に出たのでラジオのスイッチを入れる。代打の後藤が打席に入っているところ。投手は高橋だったがどうやら長打を打たれて今まで地下鉄に乗っていた間に維持していた点差を4対2から6対2に広げられてしまった。
 時刻が21時を回り千歳行普通列車の接続がある北広島駅に到着すると2死1・3塁で打席には今日ホームランを放っている金子誠。投手は森慎二。ラジオの実況によると打球はセカンド方向へセカンドゴロのタイミングでファーストぎりぎりのタイミング。判定はアウト!ラジオの実況ではきわどいタイミングで
岩本通訳とヒルマン監督が抗議に出てきた。ラジオ解説の盛田は「セーフに見えましたねぇ」。当然アウトを宣告したのでライオンズの選手はベンチに戻っている。
 今日のファースト塁審は昨日カブレラを退場させた秋村。そのファーストを守っているのはカブレラ。やはり相性が悪いのか…でも今日の場合はカブレラに有利な判定。こういうときもある。だから審判のミスジャッジに目くじらを立てるのもほどほどにしたいところ。
 ところどころメールで速報が入るホークス戦。どうやら今夜は8回を終わったところでホークスがリードしているようで、いまだに和田が投げているようだ。近鉄もリードしていて今夜は上位3球団安泰といったところ。ちなみにタイガースは4対2と中日をリードしている。川上対井川対決は井川に軍配が上がりそうな気配。電車は恵庭に到着する。

 NHKラジオ第1放送は9回表のライオンズの攻撃を伝えている。マウンドに関根、打席には高木大成。2球目をたたいてライト坪井への打球でバックしてうまく補球。1死。続くアレックス・カブレラへは初球・アウトコースの変化球でボール、2球目もアウトコースの変化球だがライト前ヒットで出塁。まったく率も残す怪力四番打者。恐ろしいです。

 ようやく電車は恵庭駅を発車し次駅・千歳を目指す。カブレラに変わり代走の上田が入り打席には和田。故障上がりにもかかわらずよくボールが見えているようで3球目を流し打った打球がフェンスに当たっているようだ。ファーストランナーの上田がホームインし打った和田もサードベースへ。記録は3塁打。これで5点差…関根もだめかぁ。和田にも代走が送られる。赤田のようだ。なおも1死3塁で続く細川に対して初球ボール。電車は長都を通過しているところで2球目を打ってファール。3球目もファール。闇夜を切り裂きながら千歳駅の接近放送が流れたところで4球目もファール。粘るナァ。電車が高架線に入り右手に千歳全日空ホテルが見えてもファール。カウントは2−2。関根としてはさっさと打ち取りたいところで次もファール。千歳駅ではかなりのお客さんが降車。ラジオによると7球目もファール。いやはやよく粘る。電車が発車してもファール。これで何球連続ファールなんだろう。ここまでファールで粘ると合わないタイミングも合ってきそうなものだが9球目、いい当たりがサード方向へ。サード木元がよく取ってサードライナー。そのままベースを踏んずけて併殺となる。ようやく9回表が終わり得点はハム7対6西武。昨日に引き続き7失点のファイターズ投手陣。。。。
 21:20、快速エアポート200号は地上での最後の停車駅・南千歳に到着するとファイターズの最後の攻撃が始まるがラジオのスイッチを切らなければならなくなった。次にスイッチを入れるとき、どうなってるか…この点差なら容易に想像がつくが…。

 21:23、定刻通りに新千歳空港駅に到着するとすぐさま改札口を抜けて地上2階の出発カウンターに向かわずに直接手荷物検査を受ける。午前中のうちに搭乗手続きを済ませておいたお陰で空港で1歩も立ち止まることなく手荷物検査を受けることが出来る。手荷物をX線装置で検査するために数秒だけ立ち止まった以外はまったく無駄の無い動きでそのまますでに機内へ搭乗が開始されているJAL540便に乗り込む。帰りの便はBoeing777-200(JA89○○)。行きがB73だったので往復ともB7同志ということになる。

 自動改札機に搭乗券を通すとボーディングブリッジを通ってすぐに機内に入らなければならないが、少し足を止めてラジオのスイッチを入れてみる。場面は
9回裏2死1塁で打者は島田。どうやらスイッチを切っていた間に小笠原がヒットで出塁をしていたようだが、アナウンサーが「この放送は9時30分までお送りします」とのこと。点差が開き勝敗の興味が薄れてきているので当然の措置。普段、NHKは僅差の試合の場合は問答無用の延長をしてくれるので重宝しているがこの措置は臨機応変でよいのではないかと考えるが、ファイターズ的には屈辱的な話だ。JAL540便の搭乗はすでにほとんど終わっていて私もラジオのスイッチを切らねばならない状況になった。まぁ島田が仮にホームランを放ったとしても点差は7対4と3点差がある。6点差を9回2死から追い上げた讀賣の例は極めて稀であってここは素直にラジオを切った。
 飛行機はおおよそ10席に一人の割合でお客が乗っているという感じでかなりのまったりモード。Boeing777では機内オーディオの12チャンネルでNHKラジオ第1放送が聞けるのでスイッチを入れてみると…すでに野球中継は終わっていて玉置宏による演芸番組が始まっていた。5代目柳家古さん師匠の演目が粛々と進められていたが、飛行機が上空に上がってしまうと雑音まみれになってしまい聞こえなくなってしまった…。もう寝るしかない(笑)。飲み物サービスを受けた後に目を閉じて寝ることにした。

 


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