2003年3月21日金曜日 プロ野球オープン戦

株式会社横浜ベイスターズ横浜Baystars福岡ダイエーHawks株式会社福岡ダイエーホークス1回戦
横浜スタジアム 13:00 観衆;20,000人 観戦場所;レフト外野自由席
ホークス
1
0
4
0
2
0
3
0
0
10
 
ベイスターズ
1
0
0
0
0
0
0
0
0
1
 
勝利投手
杉内 2勝
敗戦投手
吉見祐治 1勝2敗

審判員・記録員
本塁打
球審
小林毅二
井口資仁2号打点1・投手:吉見=初回
一塁
石井琢朗1号打点1・投手:杉内=初回
二塁
深谷篤
吉本亮1号打点1・投手:吉見=五回
三塁
柳田
公式記録員
生原?

のらりくらりと杉内、先発合格???
無失点とはいえ山田・篠原は大丈夫なのか?
 福岡ダイエーは杉内が先発枠入りへ大きく前進。直球とカーブで巧みに緩急をつけ、7回を1点に抑え9三振を奪った。井口が1本塁打を含む3安打と好調をキープ。横浜の吉見は制球が甘く、6回を7失点で開幕に不安を残した。

(c)フジテレビジョン
 前日。米国によるイラクへの攻撃(侵攻)のおかげでNHKは終日ニュースばかりでその他の局も左右のような画像のシーンばかり繰り返し流されるばかり。特にフジテレビは米国によるイラクへの最後通告期限まで面白おかしく秒読みまで始める始末でまったくもって戦争をも「楽しくなければテレビじゃない」と言わんばかり。挙句の果てには日テレへ寄せられた視聴者からのメールにちょっと笑ってしまった。すべてのテレビ局がニュース専門局の様相を呈す中、我らの経済専門チャンネル・ブルームバーグテレビジョンも米国ブルームバーグを同時再送信。株価が戦争を喜んでいるかのような上げ基調。経済は戦争があっさりと終わると予想しているようだがそんなに甘いものじゃないと考えるがどうだろう。いずれにせよ犠牲が最小限にとどまることを願わずに居られない。 (c)日本テレビ放送網
(c)東京放送
(笑)
 そんなテレビを見ながら寝てしまったからか、妙に寝起きが悪い。寝起きが悪いのは今に始まった話ではないが。
 適当に準備を行いバイクにまたがる。なんといっても横浜スタジアムはプロ野球開催球場の中で我が家からもっとも至近距離にある野球場なので喜び勇んでバイクを進める。途中、am/pmに立ち寄りMLB開幕シリーズのチケット払い戻し申請書類を調達。店長と思われる威勢と愛想の良いおじさんが「いやぁ申し訳ないねぇ」と言って用紙を渡してくれたが、試合が中止になったのは決してこの店のせいじゃないのに…責任感が強いというか…

 横浜スタジアムに到着するとすでに開門されていて外野席の入場待ち列が捌けていた。

 チケットボックスで外野自由席入場券を購入。価格は1500円!ファンクラブ割引が適用されるパ・リーグ公式戦のどの球場の入場料より高いではないか。そもそもオープン戦だなんて開幕までの調整…よーするに練習試合なわけで、練習を見せるのにお金を取るなんておかしいとは思わないのだろうか?言い換えると、コンサートの練習(リハーサル)を公開するのに(公開する人もそれほど居ないだろうが)お金を取るだろうか?その辺は後述する。
 何年ぶりか思い出すのが難しいくらい久しぶりに横浜スタジアムの場内に入ると芝生が張りかえられていて妙に青々としている。内野の芝も一部に土色の物に交換されている。そういえば横浜ベイスターズの親会社がTBSに変わってから横浜スタジアムにやってくるのは初めてであることに気がつく。
 ホークスの打撃練習が終わり映画「アダムスファミリー」で有名な「じゃじゃじゃじゃっ」という曲が流れ、それにあわせてベイスターズのキャラクター・ホッシーくんが手拍子を促す。どっかで見聞きした「演出手法だなぁ」と考えてみたが前述の通り筆者はここ数年横浜スタジアムでベイスターズの試合を見ていない。いったいどこで見たのかなぁ?と考えると昨年8月に札幌ドームで横浜主催の阪神戦を見ていたことに気づく。

 時刻が12時ちょっと過ぎであることから陽射しが降り注ぐレフトスタンド。絶好のデーゲーム日和と思われた。

 そんななか、横浜スタジアム独特のチャイムの後にスタメンが発表される。
Fukuoka Daiei Hawks
村松
川崎
井口
城島
松中
バルデス
出口
吉本
杉内
守備
8
6
4
2
DH
7
3
9
5
P
6
9
7
3
5
4
8
2
1
YB
石井琢
種田
鈴木尚
ウッズ
古木
村田
金城
中村
吉見
-
Yokohama Baystars

 開幕まであと1週間というのに両チームともに余裕というかなんと言うか…ホークスはいまだに四番が固定されていない。まぁ城島・四番が適当かなぁ〜と思わなくも無いが。調子の上がらない柴原は相変わらずスタメンに姿を現していない。そして「バルデス以下は未決定」と言わんばかりの下位打線。言い換えれば小久保・柴原が居ない間に一軍慣れしてほしい面々。使い方次第では今後が楽しみではあるが…。そして今日の先発投手は杉内。今日投げれば中6日で28日の開幕日を迎えることができるわけで…まさか開幕投手???と思わせる起用に少々驚くのではあるが、他に誰が居る?と問われれば人材が思い浮かばないのも情け無い。対する横浜はというとこちらも開幕が近いことから指名打者制度を使わずに吉見を打順9番に入れて臨戦態勢のリハーサル。ホークスはさしずめ仮想タイガースといったところか。言われてみればセカンドの村田以外ベストメンバーではないか。

 今年はできるだけ野球に集中すべく試合中はできるだけスコアをつけることに集中してみようかと考え、いわゆる「応援」は他の人に任せることにした。まぁ何も私が「がんばれ」だの「かっとばせ」だの言ったところで選手だって「言われんでもがんばるよ」と考えてやってるだろうし。ただ、人が指摘しないような点を探して突っ込んだりはする。これがある意味自分の生き方のようなものかも知れない。よって試合が始まろうとスタメンが発表されようと静かに座ってひたすらメモ、メモ、メモの繰り替えし。投球数や試合の動きを考えながら見ることにより、生きていく上でのものの考え方のプラスにならないか?今年は自問自答しながらの野球観戦にすることとした。まぁ試合中に大声を出して騒ぐと咽喉がしんどくなって飲み物の消化が激しくなり金欠を誘発するというのも理由なんですけどね(笑)。

 というわけで今年もスコアブックとペンとデジカメを手に試合を観察する。
 13:00、試合が始まる。ベイスターズは開幕投手が予想される吉見祐治が初回は飛ばす。ホークスの先頭打者・村松有人に対し初球・2球目とストライクを投じる。球が走っている…ように見えたのは速球が高めに浮いていて居るから。しかし村松はその高めのたまを見逃してしまい三球三振で1死。「今日の球審・小林毅は高目を取るのか?だとしたら浮いてくるストレート系統は狙いめだなぁ」と考えながら戦況を見つめるが2番川崎宗則はあっさりと初球を打ち上げセンターフライに倒れ2死。どうも高めに引っ掛かるなぁ。3番井口資仁にも初球は高めに入りストライク。しかし好調井口は2球目も甘く高めに浮いたストレート系統の球を見逃さずに強振。打球は左中間スタンドのセンター寄りに入りホークスがあっさりと1点を先制。やはり高めに浮くと怖いというお手本のような初回の吉見の投球。その反省からか、4番城島への初球は変化球で高めにボール。2球目も変化球だが今度は低め。外れてボールに。どうも変化球を完全に自分のものに仕切れて居ない上に寒さで握力が低下して直球すら低めに投げられていないようだ。城島のカウントが0−3となったところで今度は城島が自爆し空振りし続く5球目をセンターフライし3アウト。
 代わってベイスターズの初回の攻撃は石井琢朗から。レフトスタンドのあちこちから「詩織はどーした?」だの「かみさんは元気か?」という野次が乱れ飛ぶ。どうも捻りがない。どーせなら前妻の曲でも歌うくらい気合の入った野次が聞きたいものだがいかがなものか。
 こういう野次の後、凡退でもしてくれれば野次った人も面目躍如と言ったところだが石井琢朗はカウント0−1からの2球目をライトへ引っ張り先頭打者ホームランとした。一瞬にして追いつかれてしまっては野次も負け犬の遠吠えにしか聞こえない(笑)。石井琢朗はフジテレビ系の番組内で「内野からの野次はよーく聞こえてますよ。よく『いしいぶた』って呼ばれてますもん」と語っていたが、今日は「豚」関連の野次は聞かれなかった。ちなみに石井琢朗の本名は「石井忠則」であることは案外知られていない。
 同点に追いつかれたが実は結果を先に言うと今日の杉内が…というよりもホークスが喫した失点はこの1点だけ。続く2番種田仁@蟹股打法にライト前ヒットを打たれるも3番鈴木尚典@両手を腰に当てが2球目をセカンドゴロとし4−6−3の併殺網に引っ掛かり2死。4番ウッズもフルカウントになりながら最後は見逃しの三振に終わる。

 2回の両軍はホークスが松中>カウント0−3からファーストゴロ・バルデス>1−3から見逃し三振・出口>0−1からライトフライ、ベイスターズが古木>カウント2−2から空振り三振・村田>2−2から空振り三振・金城>1−0からセンターフライといずれもボール先行になりながらも無失点に抑える。
 3回、ホークスが大チャンス打線のお株を奪う下位打線の踏ん張りを見せる。なおもボールが先行する吉見から辻がカウント0−1から四球を選び出塁。9番に入る「永久の未完の大器・吉本亮」が初球を強く引っ張り右中間スタンドのセンター寄りフェンス最上部の金網部分にあたり跳ね返る。スタートが悪かった辻は二塁を蹴って三塁へ到達するのが精一杯。吉本亮はセカンドベースへ。無死2・3塁で打順が1番村松に。村松もライトへ引っ張り2塁打になり辻・吉本が相次いでホームイン。2番川崎もカウント1−1からの3球目をまたもライト線へ二塁打としセカンドから村松を返す。ここまでが昨年のコスモスリーグで活躍した選手たちで、見事に四球を足がかりにして3連打を放ち得点を挙げている。しかし喜んでばかりはいられない。3番・井口がライトフライ。セカンドランナー・川崎がタッチアップでサードへ。城島がショートゴロ。この間に川崎がホームイン。足で稼いだ川崎の得点に喜ぶ。ただしノーテンキに万歳をする気分になれないのは、ショートゴロを放ったのが城島だから。それもカウントは0−2から。このカウントから打つこと自体は4番だしあまり文句は言いたくは無いが、城島レベルの選手ならアップアップの吉見からしっかりと結果を残してほしいし、せめて出塁し松中へつないでほしいもの。さらには松中信彦に至っては初球をあっさりとセンターへ打ち上げてこの回を終える。くれぐれも言っておくがこの回を決して喜んではいけない。下位打線がせっかく繋がったのに上位打線がこれではちょっと先が思いやられる。
 その裏のベイスターズは調子の上がってきた杉内の投球にハマッテきて、先頭の中村武志がカウント2−2からショートゴロに倒れる。通常、公式戦ならここで代打が送られるであろう9番の打順は投手・吉見。しかし今日は長いイニングを投げさせたいという首脳陣の考えからそのまま吉見が打席に入る。だたぽけ〜っと打席に入るのでは無意味ではあるが、下手にバットを出そうものなら直球に詰まって手がしびれてしまう可能性もある。そこで自主的かどうかはわからないが吉見はバントの構え。カウント1−1から見事に成功。しかし進塁させるランナーが居ないことから記録は単なるサードゴロ。この結果に少々首を傾げてしまう。確かに首脳陣の考えは間違っていない。開幕を控え長いイニングを投げる吉見を見てみたいのは理解できるし、無意味な打席は勿体無いのも理解できる。しかし今日は有料の興業。オープン戦である。ショー的要素を求めている訳ではないが外野席でさえ1500円も支払ってお客は見に来ているのだ。1500円といえば牛丼の並盛が5杯も食べられておつりがくる。私はこの打席の趣旨を理解できたが3連休の初日に家族連れで見に来ている人にこれを瞬時に察知することができるだろうか。そこでこんなことをされては次からまた見に来ようと思う人がいるだろうか。オープン戦とはいえども真剣勝負を見たいと考えるのは筋違いなのか。だとしたらオープン戦=練習試合なのだから料金に儲けを上乗せした入場料は御免だ。だからこんな試合に勝っても少しもうれしいとは思わない…とこのとき思った。こんな屁理屈を考えている間に村松は2−0からの3球目をショートゴロに倒れ3アウト。

 4回の表・裏はともに3者凡退となり5回表、ホークスの攻撃。なんと吉本亮が2球目をレフトの私の目の前に打球を飛ばしオープン戦1号ホームラン。吉見よ、それでも開幕投手の候補でいいのか?と思わず余計な心配をしてしまう。井口・川崎はともにショートゴロに倒れ2死となるが井口がカウント2−2からセンターへ打球を飛ばす。「こりゃセンターへのハーフライナーだな」と思ってペンを走らせようとしたところでどういうわけか金城が後ろに下がりそして前進。打球はその前にポトリ。儲けモノヒットで2死1塁。城島はレフト前へヒットし井口はセカンドへ進塁。2死1・2塁とする。松中信彦もセンター前ヒットで続いて井口がセカンドからホームインしまた1点。城島はこの間にセカンドへ進む。バルデスは四球を選んだというよりも吉見がファールの後、勝手にボールを3球連投したので自滅って感じ。「う〜むビックイニングのヨカーン」と考えたが打席は出口で文字通りこの回の出口を向かえフルカウントからの8球目を空振り三振にされる。この回は2得点。ちなみにこの回が始まるまでの吉見の投球数は53であったが5回は29球。いかに苦しんだかがわかる。

なぜバルデスの右太股が汚れているのか?
 この後、5回裏からのベイスターズ打線は杉内に手は出ても足が出ない。5回裏も3者凡退。6回裏こそ1死から吉見の代打・福本が四球を選び出塁するも続く石井琢朗が10球粘った挙句の11球目空振り三振し福本がスタートを切っていた。城島がセカンドへ送球しタッチアウト。なんとも情けなや…三振併殺になりこの回も3人で攻撃が終わる。
 7回表、この回の先頭からベイスターズは吉見が内容はともかく100球目前の93球を投げきったので木塚へスイッチ。80球を超えてきてからヘロヘロだった吉見の後だけに木塚のストレートはとても速く見えた。ホークスは先頭の川崎が2球目をレフトへ打ち上げて1死。しかしここからホークスのメジャー打線が3者連続の2塁打を放つ。3番井口が0−1からセンター前へ打ち返し出塁。城島はレフトへ引っ張り二塁打。井口はサードへ進塁。ここでこの点差でもチャンステーマになるレフトスタンド。そしてセンターオーバーの2塁打を放った松中信彦。この間にサードランナー井口とセカンドランナー城島が一気にホームインし2点。続くバルデスもライトへ二塁打を放ち松中の代走・高橋がホームイン。一気に畳み掛けるか?と思われたが出口の代打・本間が見逃し三振、辻の代打・松田は粘ったものの9球目をショートゴロでようやくこの回が終わる。
 その裏の七回のベイスターズは鈴木尚こそセンター前へヒットを放つが結果的に4人で攻撃を終わらせてお役御免。95球を投げきって1失点は結果的には見事。正直言って投手陣に不安が残るホークスの投手陣の中に光が見えたのかも知れないが、今日のベイスターズ相手じゃちょっと説得力に欠けるかもなぁ。
 この次の回のホークスの攻撃に入る前、ベイスターズは大幅な選手の入れ替えを行う。鈴木尚の代走に入った田中一徳がそのままレフトに、1番に入った木塚に代わり中島聡が入りキャッチャー。セカンドの村田がファースト、ファーストのウッズに代わり稲嶺が入りピッチャー、ライトの種田に代わり木村が入りショート、ライトに南が入る。文字にしたらまったく意味不明な交代をした。これを理解するのはなかなか難しいかな???でも選手をよーく見るとよこすかで見た選手が目立つことに気づく。
 さて、杉内は良かったが喜んでばかりは居られないと思わせる投球を見せたのはこの後に出てきた山田と篠原。
 派手なトヨタRX−7のリリーフカーに乗せられてやってきた山田は先頭の村田こそ空振りの三振に斬って取るも金城には1−3から四球を与えてしまう。この後、南と福本を三振に…というとこの回は3アウトすべてを三振で…と聴こえは良いが、この回の山田の投球数は27。ちと多すぎはしないか。
 篠原も先頭の中島に対しストレートの四球を与えてしまう。続く種田に2塁打を浴び、点差があるからいいもののピンチを迎える。しかしベイスターズは仮の姿の今の横浜打線。事実上のシーレックス打線は田中一徳が2−1から空振り三振。4番に入っている小池が初球をセカンドゴロ。そして一応オープン戦好調なはずの古木だが今日は3打数3三振。変化球にまったく付いていけてなかったがこの打席も直球を誤魔化すようにファールでカットし粘るものの最後は落ちる球に手が出て空振り三振。ようやく試合が終わった。
 初回の打者2名に対する吉見を見ていたら「さすがに開幕投手候補だな」と思わせたが化けの皮がはがれるのに時間はかからなかった。しかし終盤試合展開が遅くなってしまい、レフトスタンドも日陰に覆われてすっかり寒い試合になってしまった。

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